木造住宅の【基礎】について解説します(前編)

代表の鈴木です。

関東もいよいよ梅雨入りしましたね。
これからは天気予報とにらめっこの日々が続きそうです。

さて、今回は木造住宅の【基礎】について前編と後編とに分けてこのブログで書いていきたいと思います。

木造住宅の基礎について

「家の基礎は大事だぞ!」と聞いたことがあるでしょう!
なぜ大事なのでしょうか?
おそらく「基礎の上に建物が載っているから!」「建物を支えているから!」というイメージがあるからでしょう。
確かに基礎は建物において重要な責務を担っています。しかしながら、例えば木造住宅の場合、建物の構造の話となると、柱や梁や金物、あるいは耐力壁など基礎からの上の話ばかりです。鉄骨造にしても同様です。基礎に関しては、せいぜい「ベタ基礎だから丈夫!」くらいの話しか聞いたことがない方が多いのではないでしょうか?

基礎は鉄筋コンクリート造

建物が木造であれ、鉄骨造やRC造であれ、基礎は全て鉄筋コンクリートで作られています。
なぜならそれは法律で決まっているからです。
基礎(鉄筋コンクリート造)は主にコンクリートと鉄筋という二つの素材でできています。
意外と単純な構成ですが、みるべき、考えるべきポイントは結構あります。

布基礎とベタ基礎について

基礎の種類は大きく分けて2つあります。
「布(ぬの)基礎」と「ベタ基礎」の2種類です。

布基礎

 

ベタ基礎

 

多くの人は単純に「ベタ基礎」の方が強いと認識しているようです。
確かに床全面にコンクリートが敷かれている「ベタ基礎」の方が使われているコンクリートのボリュームがあって何だか強そうです。

しかしながら結論から言うと、「布基礎だから・・・、ベタ基礎だから・・・どちらが強い!?」という議論は無意味なんです!。

一般的に地震に強いと思われている鉄骨造の住宅は、ほとんど「布基礎」を採用しています。
大手ハウスメーカーの鉄骨造は、ほぼ100%布基礎です。
また、木造住宅は逆に「ベタ基礎」を採用している住宅会社が多いです。大手ハウスメーカーにしかりです。

「布基礎」か「ベタ基礎」かは、その基礎に載る構造体によって変わるのです。
難しい話は省略しますが、地震や強風で建物にかかる外圧が、より分散されて基礎に伝わる木造住宅は「ベタ基礎」が適しており、局所的に大きな力を基礎に伝える鉄骨造は「布基礎」が適しているのです。

よく木造系ハウスメーカーの若手営業マンが自信満々で語る
「うちはベタ基礎だから強いですよ!、あちらの会社さんは布基礎だから危ないです!」という説明は全くマトが外れているのです。

木造住宅の基礎について

日本全国で建てられている木造住宅の8割以上は構造計算をしなくても建築許可が下りる建物(家)です。よって、多くの住宅会社は費用と時間とコストがかかる構造計算は実施していません。基礎にいたっては、断面形状について、だいたい決まった図面を使いまわしています。その多くは「ベタ基礎」です。

ちょっとここで疑問に感じて欲しいことがあります!

たとえ構造計算をしない建物でも、基礎の上に乗る構造体については、建築基準法で3つの簡易な計算と8つの仕様ルールで安全性を確認することが義務付けられています。なので当然建物の形状や重さ、間取りによって構造計画が変わります。

しかし、基礎については、簡易計算の対象から外れているだけでなく、8つの仕様ルールの中で、基礎のサイズと鉄筋の太さや配筋ピッチの最低基準が決まっているだけです。
だからどの建物でも基礎の断面形状は同じものが使い回されるのです。

「家の基礎は大事!」なのに、簡易計算すらしないなんて・・・

ここに疑問を感じるべきだと思います。

建築基準法レベルは安全なのか!?

建築基準法の第一章 総則にはこう書かれています。

「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進資することを目的とする」

簡単に言えば、【建築基準法は最低限の基準ですよ!】ということです。

「建築基準法に準じた建物(家)です!」とは、「あなたの家は法律で定める最低限レベルの基準で建てましたよ!」と言われているのと同じです。

でも一般の方、お施主様は、営業マンが「建築基準法を守っています!」と言えば安心してしまうでしょう。

建築基準法20条にはこう書かれています。

「建築物は自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧および水圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して安全な構造のものとして・・・」

まさに構造計算の内容をうたっています。

しかしながら、建築基準法20条1項4号建築物では、構造計算で安全性を確認しなくても建物が建ってしまいます。
これを【四号特例】とよび、木造2階建まで(平屋を含む)で、延べ床面積が500㎡以下の建物が該当します。

どうでしょう、日本のほとんどの住宅がこの規模に当てはまります。

簡単に言うと、「2階建までの木造建築物は構造計算しなくていいよ!、設計するときに建築士がチェックしておいてね!」
と言うことです。

建築基準法レベルと構造計算(許容応力度計算)の比較

ここで建築基準法の最低限レベルの簡易計算と構造計算(許容応力度計算)がどれだけ違うか比べてみましょう。

建築基準法:3つの簡易計算

1・壁量の確保(壁量計算)
2・壁配置のバランス(四分割法)
3・柱頭・柱脚(柱の上下端部)の接合方法(N値計算法)

構造計算(許容応力度計算)

まず計算にかかる前に建物ごとにまず重さを調べます。
・ 建物の重さを調べる【建物の自重】
・ 建物の床に乗る重さ(人や家財道具)を想定する【積載荷重】
・ 雪が積もった時の屋根にかかる重さを考慮する【積雪荷重】
・ グランドピアノや大型金庫や水槽など特に重い物の重さを考慮する【特殊荷重】
・ 全部の重さ合計する。【建物自重+積載・積雪荷重+特殊荷重】

重さを把握してからいよいよ計算に入ります。

許容応力度計算(ルート1)

まず建物にかかる重さが力としてどう伝わり、その力に耐えられるかを調べる
1・建物にどのような重さ(下向きの力)が伝わるか調べる。
2・伝わった重さに材料(柱や梁)が耐えられるか調べる
3・地震が来たときにかかる力を建物の重さから換算する。
4・台風がきたときにかかる力を調べる。
5・地震や台風が来たときに建物にかかる力(横向きの力)に材料(柱や梁)が耐えられるかを調べる。

許容応力度計算(ルート2)

許容応力度計算(ルート1)の結果に基づき次の計算を行う。
1・地震が来たときに、建物がどのくらい傾くのか計算する。
2・台風が来たときに、建物がどのくらい傾くのか計算する。
3・建物の上下階の強度のバランスを調べる。
4・建物の重さと強度が偏ってないかを確認する。

通常ここまでが構造計算とよばれております。

いかがでしょうか?

あなたは、建築基準法レベルで計画された建物と、構造計算(許容応力度計算)された建物では、
どちらの建物に住みたいですか?

また、家を建てるときに、建設会社から構造計算を「するorしない」の選択を与えられたことがありますか?

最低限の建築基準法をクリアしたレベルの建物を改めて構造計算してみると、ほぼNG判定がでるという調査結果もあります。それほど構造の安全性に関しては、建築基準法レベルは脆弱であると認識すべきだと思います。

まとめ

構造計算は時間もお金もかかり、建設会社に短期的なメリットはありません。
しかしながら私が知る限り、お客様のために本気で家づくりをする住宅会社は、必ず構造計算を実施して建物の安全性を確認しています。

木造住宅の【基礎】の話から、構造計算の話が大半になってしまいましたが、住宅の基礎を考える上で、まず構造計算が欠かせない、構造計算をすべきであるというお話でした!

構造計算については弊社HPでも詳しく解説しています。
【日本一わかりやすい構造計算の解説】

次回は基礎工事の工程の中で注目すべきポイントを解説していきたいと思います。

それではまた。

2019.06.17

家づくりについてお問合せはこちらから!

資料請求はこちらから!

友だち追加

メルマガ