【震度ってわかりますか?】地震に強い家を証明する唯一の方法は構造計算

代表の鈴木です。

私がまだ子供(小学生)のころ、震度7なんて空想の揺れくらいにしか考えていませんでした。
大きな地震といえば1923年(大正12年)の関東大震災の話を昔話のように聞くだけでしたし、「地震実験車」で揺れを体験した時は、まるで遊園地のアトラクションで遊んでいる気分だったのを覚えています。

震度7の破壊力を初めて目にする

時が流れ、私が社会人2年目の1995年に「阪神・淡路大震災」が起こりました。
会社のテレビで映し出された映像を見たときに正直この世の出来事だということをなかなか理解できなかったことを覚えています。高速道路がなぎ倒され、無数の家屋が倒壊し炎を上げている現実を写した映像は、まるで戦争映画のワンシーンのようで、震度7の破壊力を生まれて初めて目にしました。

それでも100年に1度の巨大地震だったと、きっと自分にとって一生に一度の巨大地震だったと、頭ではそう理解させていました。

周期が短くなった巨大地震

それからわずか10年後の2004年には「新潟県中越地震」、16年後2011年には「東日本大震災」、それからまた5年後の2016年には「熊本地震」、今年2018年には北海道で震度7クラスの地震が起こりました。
今や震度7クラスの地震は空想の世界ではなく、頻繁に起こりうる地震なんだと理解されるようになりました。

「震度7クラスでも倒壊しない地震に強い家を建てたい!」
みんなが望んで当然です。

震度って!?

改めて震度について調べてみました。
震度とは「揺れの度合い」を表現する指標で現在日本では、「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級で示されています。
実は「震度0」があるなんて恥ずかしながら知りませんでしたが、「人が揺れを感じない揺れ」だそうです。
現在震度は全国各地に設置された震度観測点で計測震度計により自動的に観測しているそうですが、それ以前は「体感および周囲の状況から推定」していたということで、なんとも感覚的なものを数値に置き換えていたんですね。

震度と合わせてよく「マグニチュード」という言葉を聞きますが、調べてみるとマグニチュードとは、地震そのものの規模の大きさを示す尺度です。

震度は揺れの強さ、マグニチュードは地震の大きさと覚えておけば大丈夫ですね。

震度の話に戻ります。

最大震度の震度7とは

最近よく耳にする「震度7」ですが、改めてどんな揺れかというと、「震度6強」以上全ての揺れの強さを示しています。
震度0から震度6強まではそれぞれの揺れの強さについて揺れの範囲が示されていますが、震度7にはその揺れの範囲が示されていません。繰り返しになりますが、震度6強を超える揺れは震度6の2倍の揺れも3倍の揺れも全て震度7という表現になるのです。

震度7クラスの地震でも倒壊しない家を建てたい!

よくよく考えてみると、みんなが望むその震度7は「不明確な巨大地震」ということになるので、工学的に実現させることは本来不可能です。
正確には、今まで経験してきた震度7でも倒壊しない家、あるいは震度6強では倒れない家を工学的に実現することが今現在証明できる家づくりとなります。

「震度7クラスの地震でも倒壊しない家を建てたい!」

―「弊社の家は震度7でも倒れませんから安心です!」

これは本来おかしな会話であることが理解できると思います。

地震に強い!を証明する唯一の方法

今までのブログで何度も書いてきてますが、地震に強い家を計画する場合、それを数値で証明できる方法は唯一「構造計算(許容応力度計算)」しかありません。

しかしながら日本の木造戸建て住宅においては、2F建て以下、500㎡以下の建物においては、法律でこの構造計算が免除されています。
日本の木造戸建て住宅のおよそ80%はこれに該当します。これだけ頻繁に震度7クラスの地震が発生し、その度に現行の最低限の法律では十分な耐震性が確保できないことが有識者から発信されているにもかかわらず。。。

なぜでしょうか?

詳しくはこちらの記事でまとめてますので是非ご覧になってください。

「日本一わかりやすい構造計算の解説」

弊社は自社で設計施工を行う新築の建物は、建物の規模にかかわらず全て構造計算(許容応力度計算)」を実施し、耐震等級3を確保します。
経験や勘に頼らず、きちんと計算してその建物の耐震性を確認したいからです。そしてそのことがこれからも起こりうる巨大地震から人の命を守る唯一の方法だからです。

それではまた。

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2018.11.03

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