ウォールスタットと構造計算って同じ!?|アーキ・モーダ

代表の鈴木です。

Wallstat(ウォールスタット)って聞いたことありますか⁉︎

ウォールスタットとは、京都大学生存圏研究所の中川貴文教授が中心となって開発された、「木造住宅倒壊解析ソフト」のことで、木造軸組工法の耐震性能を始めて「見える化」した事で、業界でもとても注目をされているソフトです。

ウォールスタットが画期的なのは、地震波を加えたときに、建物が倒壊する過程をビジュアル的に見て確認できることかと思います。

具体的にはどのようなシュミレーションソフトなのかを見ていただいた方が早いと思いますので、ウォールスタットのHP内にある【ギャラリー】ページのURLを添付しておきます。

【ウォールスタット/ギャラリー】

最近では、ハウスメーカーや住宅会社でもウォールスタットを使った耐震性能のプレゼンを施主様におこなうケースも出てきました。

そこで本日は、建物の耐震性能を語る上では王道となっている構造計算(許容応力度計算)とウォールスタットの比較を私なりの解釈で解説していきたいと思います。

ウォールスタットと構造計算の説明画像

 

ウォールスタットと構造計算を比較してみる

 

通常、建物の耐震性の検証は3つの方法があります。

 

【壁量計算】- 建築基準で義務化されている検証方法。(最低限の検証方法)

【性能評価】- 壁量計算のさらに上をいく耐震等級を導き出す検証方法。

【構造計算(許容応力度計算)】- 性能評価のさらに上をいく現行最も信頼性の高い検証方法。

 

以上3つの検証方法は最終的には計算書類として表現されますが、その書類を見ても一般の方では全く理解できない代物(シロモノ)です。

計算書類といっても【壁量計算】はA3の用紙1枚程度ですが、【構造計算(許容応力度計算)】ともなれば、A4の用紙で数百枚と分厚いファイル1冊分のボリュームになります。

したがってたとえ実務者であっても特に構造計算の書類を読み込んで理解できる人は、業界の中でもその業務に精通しているごく一部の人だけです。

その点ウォールスタットというソフトは、その建物の耐震性能がパソコンの画面上で「問答無用!見てわかる!」が最大の特徴となっています。

耐震実験(実物大振動台実験)よりもウォールスタットの方が信頼性が高い

よく大手ハウスメーカーが耐震実験(実物大振動台実験)の画像を公開して、「震度7の揺れに何回耐えた!」とか宣伝してますが、それはある特定のモデルプランで実験しているだけで、そのハウスメーカーが建てる全ての建物にその耐震性が付与されているわけではありません。

業界の技術系の人はわかってますが、やっぱり一般の方はあの耐震実現の映像を見て完全に洗脳されてしまうようです。

しかしウォールスタットのソフトを使えば、実物大の建物を振動台に載せて揺らしてみることなく、あなたがこれから建てようとしている建物が地震の揺れにどう耐えるのか!?、または倒壊する可能性があるのか!?をパソコンの画面上でビジュアル的に確認することができるのです。

自分が建てたい家とは間取りも形も全く違うモデルプランの耐震実験動画よりも、実際に計画している建物をシュミレーションできた方がよっぽど信頼性が高いと思いませんか?

ここまでの解説を聞けば、「構造計算もウォールスタットも同じようなもので、どちらかと言えばビジュアル的に見ることができるウォールスタット解析の方がいいじゃん!」という意見もあるかと思います。

しかしそれほど単純な話ではないという考え方が私の考えです。

ウォールスタットと構造計算は比べる土俵が違う!

このブログはウォールスタットと構造計算の比較をテーマにしていますが、そもそもはウォールスタットと構造計算は同じ土俵で比べるものではないということです。

構造計算は、目標を定め(例えば耐震等級3とか)、建物の重さを詳細にシュミレーションし(建物の自重はもちろんのこと、積雪や、ピアノや本棚、水槽などの特別な重量物)、台風時や地震時にかかる力によって、建物の傾きや各部材(土台や柱や梁など)が耐えられるかどうかの検証を計算の過程でトライ&エラーを繰り返しながら、最終的に全てのエラーを潰し、地震や台風、積雪や荷重に対して柱や梁などの全ての部材と、建物全体の安全性を確認していく計算作業です。

関連記事:木造の構造計算って!?【日本一わかりやすい木造の構造計算の解説】

対してウォールスタット解析はあくまでも建物の倒壊シュミレーションソフトですから、建物の耐震性を確認するためのもと言えます。

構造計算の結果は公的にも認められて、過去、未来にわたって永遠に解読できる業界では共通言語のような役割を持っていますが、ウォールスタットは公的な評価として認められてはおらず、あくまでも研究及び教育用に使用することが前提とされていることからも、両者の違いが理解できるかと思います。

まとめ

ウォールスタット解析で建物の倒壊シュミレーションをみると、「耐震等級1」や「耐震等級2」では、耐震性能としていかに不十分かをわかりやしく確認することができます。

そして「耐震等級3」の重要性が改めて確認できる(それもわかり易く!)ことがウォールスタットの最大の役目だと思います。

構造計算(許容応力度計算)をおこなって耐震等級3を取得した建物は、ウォールスタットでシュミレーションしても倒壊することはないでしょう!

「ウォールスタットで倒れなかったから大丈夫!」ではなく、「構造計算(許容応力度計算)で耐震等級3を取得したから大丈夫!」という理解がが正しいかと思います。

ウォールスタットは「倒壊の解析」、「構造計算(許容応力度計算)」は地震だけではなく、台風や積雪などあらゆる外圧に対する安全性と、建物の荷重に対し長期の安定性を確認する計算です。

ウォールスタットで、耐震等級3の重要性をあらためて理解して、ぜひ構造計算(許容応力度計算)を実施することで、安全・安心の家づくりを行なっていきましょう!

それではまた。

2020.06.14

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