耐風等級って知ってますか?

代表の鈴木です。

先日九州に上陸し、日本列島を横断した台風14号(ナンマドル)は、日本に近づくにつれ気象庁も「経験したことのない暴風などが予想され、最大級の警戒が必要」発表しておりました。
実際に九州上陸後は、各地域に最も警戒レベルの高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が出され一部エリアでは甚大な被害が出てしまいました。

台風報道でよく耳にする「風速」また「最大瞬間風速」とはどのようなイメージなのでしょうか?
今回の台風14号(ナンマドル)では中心付近の最大風速は55m/s、最大瞬間風速は75m/sと観測され、台風の渦の外側では風速25m/s以上の暴風が吹いていると発表されてました。
目安として風速20m/sを超えると車の運転が難しくなり、40m/s以上では家屋が倒壊する恐れがあると言われています。
もちろん、台風の中心付近の風速がそのまま私たちの生活ゾーンで吹くわけではありませんが、それでも条件によっては最大瞬間風速で40m/sを超える暴風を受けることはあるわけで、そうなると果たして我が家は大丈夫なのか心配になる方は多いと思います。
そこで本日は建物(住宅)の耐風性能について解説していきたいと思います。

住宅の耐風性能とは

建築基準法で建物の耐風性能は、品確法による「耐風等級1」とされており、平成12年の基準風速の改定により、日本の各地域ごとに基準風速が30m/s〜46m/sの間で設定されました。
例えば東京都23区ならば32m/s、埼玉県南部ならば34m/sとなっております。
建物の構造計算(許容応力度計算)でもこの数値を使います。
実際には建物の耐風性能の評価は基準風速ではなく、最大瞬間風速で考えるべきですが、建築基準法では最大瞬間風速の記述はありません。
しかし最大瞬間風速は基準風速の約2.0倍程度と言われてますので、東京、埼玉では約60m/sほどの最大瞬間風速が予想されると読み取ることができます。

耐風等級1

住宅の品確法による性能表示によると、「耐風等級1」は下記のように定義されています。

  • 極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力に対して倒壊、崩壊しない。
  • 稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力に対して損傷しない。

極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風とは過去の伊勢湾台風(昭和34年発生/台風15号)で観測された最大瞬間風速約50m/sが目安になっているようです。

以上から耐風等級1は最大瞬間風速50m/sでも倒壊、崩壊しないレベルとなっていることがわかるでしょう。
「あれっ、東京、埼玉では最大瞬間風速約60m/sが予想されているのに、耐風性能1で想定されている最大瞬間風速50m/sでは足らないのでは?」
そこで品確法では、もうひとつ上のランク「耐風等級2」が設定されています。

耐風等級2

耐風等級2は「耐風等級1×1.2倍」と定義されています。
耐風等級2であれば、計算上最大瞬間風速60m/sに耐えることがわかります。
どうせなら「耐風等級2」で計画した方が良いと思いませんか?
しかしながらそう簡単な話でもなく、耐風等級2の計画は耐震等級3よりもハードルが高いと言われています。
なぜなら、地震による外圧力と同等もしくはそれ以上に風圧の力は大きいからです。

耐風等級2のメリット

耐風等級2で建物を計画した場合のメリットを私なりの考えも含め記してみたいと思います。

  • 暴風でも建物が揺れにくくなる
    今まで、台風時の暴風で建物がゆれた経験をされたかたも多いかと思いますが、耐風等級2であればその揺れもかなり軽減されます。
    建物の倒壊や崩壊を防ぐだけでなく揺れを抑えてくれれば、精神的に安心感が違うと思います。
  • 内装仕上げ材が綺麗に保たれる
    内装の仕上げ材としてクロスや塗り壁が使われますが、これら仕上げ材は建物の揺れによって少しずつ損傷していきます。揺れは決して暴風だけでなく地震などもありますが、台風は毎年来ますので少しでも建物の揺れを抑えられれば内装仕上げ材に与えるストレスも軽減させることができます。
  • 耐震等級3と相まってより建物が強固になる
    建物の強さ(耐震性)は耐震等級の役目ですが、実は耐風等級2はかなり構造補強が入ります。耐震等級3+耐風等級2でより強固な構造躯体が完成します。

まとめ

耐風等級についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「耐風等級なんて初めて聞いた!」という方も多いと思いますが、地球温暖化がもたらす将来の台風はそれはそれは恐ろしいシミュレーションがされています。
実現可能な手段であらゆる自然災害に備えるべきで、それは住宅建築においても例外ではありません。
【構造計算+耐震等級3+耐風等級2】で家族の、自らの命を守る家づくりをしましょう。

それではまた。

2022.09.20

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