代表の鈴木です。
もうすぐ梅雨明けでしょうか。
それにしても今年の梅雨は長かったですよね!
この時期はいつもなかなか外の工事が進まず、やきもきする日々です。
注文住宅でオススメの外壁材|意外な選択とは
本日は【注文住宅でオススメの外壁材 意外な選択とは】というテーマで書いていきたいと思います。
注文住宅の外壁選びでお悩みの方へ
- 「いろいろな外壁材があるけれど、どれがいいのかわからない!」
- 「メンテナンスコストが安価な外壁材が知りたい!」
- という疑問にお答えしていきたいと思います。
この記事を書いている私は、学卒で大手ハウスメーカーに就職し現場監督5年、営業職7年経験、その後地場の建設会社で住宅商品の企画や管理業務で5年の経験を経て独立。
「設計事務所+工務店」の株式会社アーキ・モーダ代表取締役として10期目を迎えています。
住宅業界に携わって27年、注文住宅のお引渡し棟数は累計600棟を超えました。その私が今までの経験をもとに記事にしています。
本文では以下の内容を解説します。
目次 1. ずばりオススメの外壁材は何!? 1-1 サイディングをオススメしない理由 1-2 【木の外壁材】をオススメする理由 1-3 【木の外壁材】のメンテナンス性の良さとは 2. 外壁材は木と他の素材の組み合わせがオススメ 2-1 【木の外壁材+金属サイディング】 2-2 【木の外壁材+金属サイディング】 2-3 【木の外壁材+湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)】 2-4 【木の外壁材+湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)】 3. まとめ
1. ずばりオススメの外壁材は何!?
【木の外壁材】が最もオススメです。
注文住宅に限らず、住宅の外壁材はそれほど多くの選択肢があるわけではありません。
よく使われる外壁材としては、皆さんご存知の【窯業系サイディング(以下サイディング)】が圧倒的なシェアを占めています。
シェアの順番で上げると以下のようになっていると思います。
- 窯業系サイディング
- 湿式(しっしき)工法(モルタル+塗り)
- 金属製サイディング(ガルバリウム製のサイディング)
- タイルや石貼り仕上げ
- 木の外壁材(天然木)
なぜ、【木の外壁材】が最もオススメなのか!の理由の前に、なぜ【サイディング】のシェアが一番多いのか解説します。
1番の理由はお客様に選ばれてきたのではなく、建築会社やハウスメーカーが押し付けてきたという歴史があるからです。
押し付けたというよりは、サイディング以外の選択肢を与えなかったと言った方が正しいかもしれません。
なぜなら、建設会社やハウスメーカーにとって非常に都合がいい製品だったからです。(今でもそうですが・・・)
サイディングは、「値段が安い! 工期も早い! クレームが少ない!」といったまさに吉○屋の牛丼のような商品で、建設会社やハウスメーカーがもっとも重視する要素が満たされています。
それまで湿式工法(モルタル+吹付けや塗り)が一般的だった日本の住宅の外壁は一気にサイディングに取って代わり、シェアの拡大とともに、サイディングの種類も増えて、ますますシェアを伸ばしてきたというのが今の状況です。
値段が安くて、工期も早くて、クレームが少ないのであれば、お客様にとってもメリットが大きいはず・・・ですが、私は「そうではない!」と思っています。
1-1 サイディングをオススメしない理由
サイディングは一般的にメンテナンスが楽とかメンテナンスフリーだとかアナウンスされていますが、全くの嘘です。
サイディングのメンテナンス周期は10年〜15年目のサイクルでやってきますが、まずシーリングの打ち替えが必要で、サイディングそのものについてのメンテナンスは上から再塗装するか、張り替えるしか選択肢がありません。
建てた当時のサイディングと同じ商品はほぼ残っていませんので、部分張り替えはできません。
再塗装に関しては、細かい凹凸部は塗膜で埋まってしまいますし、色も単色のベタ塗りとなりますので、既存のイメージとは大きく変わります。
最近ではシーリングレス工法のサイディングや、高耐久塗装、雨と一緒に汚れが落ちるよう親水性コーティングされたもの、太陽光が当たることで汚れを分解する機能(光触媒)など高機能なサイディングも増えてきましたが、その分初期費用はあがりますし、高機能なサイディングはメンテンナンスコストも上昇します。
親水性コーティングに関しては、建物の外壁4面に満遍なく雨がかかれば効果を発揮するのかもしれませんが、実際そんなことはありませんし、光触媒に関しても外壁4面に満遍なく太陽光が当たることはまずないので、宣伝どおりの効果を発揮するかは疑問です。
このように、高機能サイディングは宣伝されている効果がいまいち腑に落ちないところがありますし、サイディングはメンテナンス時のコストがかかる割に、「再現性が低い外壁材」であるということがオススメしない最大の理由です。
1-2 【木の外壁材】をオススメする理由
【木の外壁材】が一番いいと思う理由はそのメンテナンス性と再現性の高さにあります。
- 「えっ!?木の外壁なんてメンテが大変じゃないの?」
- 「木を外壁に貼ったらすぐに腐るんじゃないの?」
という声が聞こえてきそうですが、いくつか条件を整えれば、木の外壁材は生涯にわたってロングライフな外壁材となります。
【木の外壁材】がロングライフに変わる条件とは
1. 屋根の軒の出を十分に計画する
木の外壁材に限らず、すべての外壁材に言えることですが、外壁の耐久性は雨と紫外線がどれだけ当たるかに大きく左右されます。
最近は軒ゼロと言われるスクエア形状の外観が流行っていますが、このような建物の外壁材の劣化は著しく早くなりますし、すぐに汚れも目立ってきます。
2. 素材と厚みの選定
外壁材に適した樹種は、杉、レッドシダー、松などで、厚みは他の外壁材と同様12〜18mmくらいの無垢材が理想的です。
3. 浸透性の塗料で仕上げる
よく、耐久性を担保するためにウレタン系の塗料で仕上げている木の外壁もありますが、浸透性のオイル系塗料がオススメです。
メンテナンスが非常に楽で安価です。
4. 焼杉も高耐久な外壁材
焼杉とは、文字通り杉の表面を焼いて炭化させた外壁材です。炭は腐朽菌の繁殖をおさえるため非常に腐りにくく、また火の着火温度も通常の木よりも高いので火災の不安も軽減されます。
1-3【木の外壁材】のメンテナンス性の良さとは
1 再塗装が簡単で安価
木の外壁材で使用される浸透性のオイル系塗料は、非常に塗りやすくプロでなくても仕上がりに差が出にくいため、素人でもちょっとコツを掴めば簡単に、そして綺麗に塗ることができます。また塗料の入手も簡単で、ホームセンターでも手に入ります。
仮にプロに再塗装を依頼しても、サイディングやモルタルの再塗装と比べ、はるかに安くあがります。
2 再現性が高い
将来的なメンテナンスやリフォームを行なった場合に、まず、一般的に多く普及しているサイディングで仕上げられた外壁では、外壁の一部に傷が付いて補修や交換が必要になったり、リフォームで外壁をいじることが生じたときに、新築から数年経っていれば、同じ柄のサイディングはほとんど手に入りませんし、仮に手に入ったとしても製造ロッドの問題と、既存外壁の色あせもあって、色が合わないケースが多々あります。
サイディングは再現性が極めて悪いのが大きなデメリットです。
これが【木の外壁材】であれば、素材はいつの時代でもたいてい手に入りますし、塗装により限りなく近い色を再現できます。
木の外壁材は極めて再現性が高い外壁材なので、ロングライフと言えます。
それだけではありません。
サイディングの場合、施工はサイディングの専門の施工者が必要で、貼り替えで生じる残材の処分費も高額です。
その点木の外壁は大工さんで施工できますし、残材の処分もサイディングと比べれば非常に安価です。
外壁材はどれを選んでもメンテナンスは必ず必要です。
ならばメンテナンス費用が安くて、再現性の高い外壁材が絶対いい!というのが
私の経験から判断した結論です。
2. 外壁材は木と他の素材の組み合わせがオススメ
木の外壁材の素晴らしさを解説してきましたが、外壁すべてを木の外壁材で仕上げると、建物の雰囲気やデザインがかなり偏ってしまうことは否めません。
「どうも好みではない!」という声もあるでしょう。
そこで、建物4面すべてを木の外壁材で仕上げるのではなく他の素材との組み合わせた使い方が現実的でオススメです。
2-1【木の外壁+金属サイディング】
こちらは焼杉の外壁材と薄いシルバー色のガルバリウムサイディングの組み合わせ例です。
平屋ですが非常にモダンなデザインで仕上っています。
ガルバリウムサイディングもメンテナンス周期が長く耐久性が高いオススメの外壁材ですが、価格が高いことと、傷がつきやすく補修が困難であることから使い方に注意が必要です。
2-2【木の外壁材+金属サイディング】
ロングライフの外壁材として、金属サイディング(ガルバサイディング)も根強い人気がありますが、傷つきやすく補修が困難な素材のため、本当は建物の2F部分に使うデザインがオススメです。ほとんど手に触れることのない高さであれば傷や凹みのリスクは減りますし、足場が必要なメンテナンス周期を大きく伸ばすことができます。
2-3 【木の外壁材+湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)】
深い軒の出を持った建物で2階部分を焼杉の外壁材で、1階部分を湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)で仕上げています。
深い軒が外壁を雨や紫外線から守るだけでなく、下屋がぐるりとまわったデザインのため、この外壁のメンテナンスはほとんど足場の必要がないのもメリットです。
2-4【木の外壁材+湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)】
木の外壁材を1階に計画し、2階部分を湿式仕上げ(モルタル+塗り壁)で仕上げた例です。
木の外壁材を使用した部分はすべて脚立で届く高さですので、木の外壁材のメンテナンスに関しては、費用がかかる足場の設置が不要です。
3. まとめ
生涯コストという視点に立つと、建物の外壁に何を使うのかは重要なテーマになります。
サイディング全盛の昨今、木の外壁材は昔の仕上げというイメージが浸透してしまっています。
しかしながら、日本の住宅の歴史を振り返ると、木の外壁材の実績は非常に長く耐久性の高さも証明されています。
50年もノーメンテで存在している木の外壁材を使った建物も未だに多く存在しています。
室内の仕上げでは、無垢の床材や漆喰の塗り壁など、昔は当たり前だった素材がいっとき消滅しかけて、また復活の兆候が出てきています。
おそらく、外部の仕上げについても近い将来、木の外壁材が再注目されてくるはずです。
最後にもう一つ、木の外壁材の良さをお伝えしたいと思います。
無垢の床材に感じる暖かさや温もりや優しさ、時とともに深まる愛着や味というものは、そのまま木の外壁材にも感じられます。
サイディングのような工業製品では決して得られない感覚です。
木の外壁材を、ぜひ候補に入れてみませんか⁉︎
それではまた。
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