Ua値の罠! 続編

Ua値の罠

代表の鈴木です。
前回のブログは【Ua値の罠!Ua値と快適な住まいの関係性について】というお題で書きましたが、今回はその続編として書いていきたいと思います。

そもそもなぜUa値なのか?

皆さん、夏の冷房と冬の暖房ではどちらがエネルギーを多く使うかご存知でしょうか?
冷房機器は一般的に選択肢がエアコンくらいしかありませんが、暖房機器についてはいくつも種類がありますよね。
エアコンはもちろんですが、石油ストーブや電気ストーブ、温水式床暖房や電気式床暖房など、挙げればいくつも出てきます。

冷房機器の役割は、例えば外気温30度の場合室温は27度くらいが適正と言われていますので、僅か3度下げることと言えます。
猛暑と言われる35度の外気温の日もあれば、人によっては快適室温が25度以下という方もおりますが、それでも10度くらい下げるエネルギーを冷房機器は使うということが言えます。

比べて暖房の方はどうでしょうか!?
例えば外気温0度の時に室温は最低でも20度以上欲しいところです。
もうお分かりだと思いますが、暖房は冷房と比べてとても大きなエネルギーを使うということです。

そこで暖房エネルギーを極力無駄にしないように(外部に逃げないように)ということで、Ua値という指標が大きくクローズアップされ建物の断熱性能を評価しているのです。
Ua値は冬の快適性に偏った性能値であるとも言えますよね。

しかし夏だって年々猛暑日が増え、冷房の負担は増える一方であることは皆さんもよく理解できることと思います。
昔は熱中症なんて言葉は聞きませんでしたが、ここ数年夏になれば熱中症という言葉を聞かない日はありません。
それほど日本の夏はより暑くなってきていますよね!
ですからこれからの家づくりにおいては、冬だけだけでなく夏だけでなくトータルで考えるべきなので、Ua値の数字ばかり追いかけるのは危険だと思うのです。
これこそUa値の罠といえます。
Ua値ばかり追いかけても年中快適な住まいにはならないのです。

ηA値(イーターエー)

冬の快適性能の評価がUa値ならば、夏の快適性能の評価はなんでしょうか!?
ηA値(イータエー)を聞いたことありますか⁉︎
ほとんどの方は聞いたことないと思いますし、そもそもイータエー値なんて読めませんよね!
Ua値が【外皮平均熱貫流率】ならば、ηA値は【冷房期の平均日射熱取得率】と言います。
ややこしい表現ですが、Ua値もηA値も数字が小さい方がより快適(高性能)と評価されます。

夏の快適性評価は、日中強い太陽の日差しを遮って室温上昇を防ぐことで冷房負荷をいかに低減させるかが鍵となります。
その評価がηA値で評価されるのです。

強い日差しを遮る方法は、庇やガラスの種類、その他日射遮蔽の商品を効果的に計画することで実現されますが、言うほど簡単ではありません。
太陽は季節によって時間によって高度が変わりますし、敷地と方位がきれいに揃っているケースは少ないので、日射対策は一筋縄ではいがないのです。
Ua値は建材の選定である程度対策できますが、ηA値は(日射遮蔽)は設計段階の計画(設計者の知識や意識)が大きく影響してきます。

残念ながらUa値とηA値を同格に意識している会社はほとんどないと言っても過言ではありません。
ηA値が目立った評価基準にないことも影響しているのだろうと思いますが、やはり年間通じて快適な暮らしを求めるのならば、Ua値、ηA値の両方を意識すべきです。

何だかんだ言ってもやはり気密測定が大事

さて、そもそもUa値もηA値も机上計算の話ですから、計算通り、計画通りに施工されるかは未知の世界ですよね!
そこをかなりの確率で想定できる方法が一つあります。
それは、その会社が気密測定を実施しているか否かです。
私のブログでは、しつこいくらい気密測定の重要性をお伝えしておりますが、懲りずにあらためてお伝えしたいと思います。
気密測定でUa値やηA値が測れるわけではありませんが、施工精度に自信がないとまず気密測定は行いません。
気密性能は、Ua値やηA値と異なり机上計算では図ることができず、必ず現場ごとに測定しないと性能値を確認することができません。
気密性能は施工計画と施工精度で決まる性能だからです。
気密測定を行う会社はUa値やηA値に対する意識が高く、机上計算で導き出された性能値を高い施工精度で実現させ、気密測定によってその性能値を担保しているのです。
だから必ず「気密測定」を実施している会社を選ぶべきです。

まとめ

家づくりにおいても例に漏れず、まず何事もバランスが非常に大事だと思います。
昨今、注文住宅では【高気密・高断熱】というワードが流行っており、一部ではUa値競争が勃発しているように感じます。
もちろんUa値も大事なのですが、同時に夏の快適性も考慮した家づくりを考えていきたいものです。
それではまた!

2021.11.23

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