【暑さを克服する家づくり!】

2024.06.21改稿
代表の鈴木です。

6月に入り初夏どころか一気に夏が来たみたいな陽気にテンション上がってます!私は冬よりも夏のほうが好きで、特に暑い夏が好きという少々変わった特性を持った人間です。笑
そんなこととは関係ありませんが、暑くなってきたので『暑さを克服する家づくり』をテーマに話を進めていきたいと思います。

夏の過酷な建築現場環境

まず、一般的に「夏場の建築現場は地獄のように暑い!」という事実を皆さん知っておりますでしょうか?
家づくりのスタートである基礎工事は全く屋根のない、まさに炎天下の元での過酷な環境です。
そして基礎工事が終わるといよいよ大工工事が始まりますが、上棟して屋根の下地が施工されると直射日光は防げますが、建物の周りには足場がかかり養生ネットで包まれているおかげで、特に都心部で近隣に囲まれた現場環境だととにかく風通しが悪く、「まるで蒸し風呂みたい」という環境に置かれます。
サッシが取り付けられ一応雨風がしのげる状態になると、今度はビニルハウスのような環境になってしまうのです。

この過酷な環境が少し和らぐのが、断熱材の施工を施した後です。

やはり断熱材の効果は大きく、その後は少しマシな環境で作業を進めることになります。
その後工事が進み大工工事が終わる頃、並行して進めてきた外装工事も終わりを迎え、外部足場が解体されると風が抜けるようになり、だいぶ環境が改善されます。
それでも今度は、今まで足場の養生ネットに遮られていた日差しが、何の障害物がなくなった窓から容赦なく降り注いできます。
明るい家は日本人共通の信仰ですから、どの家も南に大きな窓が計画されます。
そこから容赦なく降りそそぐ夏場の日差しは強烈です。
このように夏場の現場はかなり過酷な状況なのです。
現場の進行状況を肌で体感すると、暑さを克服する家づくりに必要な要素が見えてきます。

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暑さを克服するために必要な対策

  1. 適切な日射遮蔽計画
  2. 適切な断熱計画
  3. 適切な空調計画

以上が抑えられた家ならば、夏場も快適に過ごせる家になると言えます。
そしてこれらの対策が十分に施された建物であれば、より少ないエネルギーでエアコンを稼働させることができ、省エネで家計にも優しい住まいとなります。

それではそれぞれ具体的な対策例を考えて見ましょう

1.暑さを克服する家づくり|日射遮蔽計画

実はこの日射遮蔽は「暑さを克服する家づくり」において一番重要な要素なのですが、一番おざなりにされている部分かもしれません。
よくハウスメーカーの住宅営業マンは「遮熱Low-Eガラスですから!」と意気揚々に説明し、日射遮蔽についてはそれっきりになっているケースが多いようです。
Low-Eガラスだけではあの強烈な日差しを回避することは不可能だと認識してください。
日射遮蔽を実現するものとして、ローテクではありますが簾(すだれ)のような窓の外側で日射を遮蔽するものが大変大きな効果をもたらします。
最近はモダンな建物にも似合いデザイン的にもすぐれた「アウターシェード」という商品が数多く出てきました。
価格も安価なので是非計画したいところです。
費用は嵩みますが、窓の外側に設ける電動ブラインドも非常に効果があり、吹抜け上部の手の届かない部分の窓にも計画できる利点があります。
もちろん屋根の庇(軒の出)がきちんと計画されていればなお有効です。
軒の出は日射遮蔽に有効なだけでなく、外壁の劣化を抑え、雨漏りリスクを大きく低減できるものとして日本の家づくりでは昔から当たり前の様に計画されてきました。しかしながら近年シンプルモダンデザインの人気から軒の出の無い箱型デザインが急速に増えてきたことで、「夏暑い家」「外壁の劣化」「雨漏りリスク」がセットになって、軒のない箱型デザインの家は苦しめられることとなります。

暑さを克服する家づくり|適切な断熱計画とは

昨今、断熱計画の良し悪しは建物全体(外皮)の熱貫流率で評価されます。
しかしながら特に夏の暑さ対策に関わる断熱計画では屋根又は天井の断熱計画が大きく影響します。断熱材は種類以上に厚みが効果に影響してきますので、最低でも壁に使用する断熱材の厚みの2倍以上の厚みを屋根、天井断熱では計画することが望ましいと言えます。
具体的には最低でも250mm、できれば300mmの厚みが計画できると理想的です。

暑さを克服する家づくり|空調計画

日本の夏は今やエアコン無しで過ごすことは不可能です。
エアコンは比較的安価でもありヒートポンプ技術もあって非常にエネルギー効率の高い(省エネ)家電といえます。多くの家では各居室ごとにエアコンが設置されていると思いますが、電気代を意識してか、特に年配の方は我慢してエアコンをあまり稼働させない人が多い様で、毎年夏になると室内で熱中症になったというニュースを目にすることになります。
冷房は暖房と比べ消費電力が小さいので、夏こそ我慢しないでエアコンを積極的に使えばよいと思うのですが、どうせならより経済的に活用したいものです。
その方法を例として挙げておきます。

1. エアコンの台数を減らすこと

エアコンは少ない台数で稼働させた方がより経済的です。当たり前ですよね!
普通に計画すれば、3LDKや4LDKの間取りでエアコンは4〜5台は計画されるはずです。最近ではリモートワーク環境の要望も多く、書斎など計画すればさらにもう1台必要になります。これだけの台数を各々稼働させれば、いくらエアコンは省エネ家電とはいえ電気代が心配になるのも理解できます。
そこで最近ではエアコン1台で冷房をまかなう「小屋裏エアコン」や「ホールエアコン」などを挑戦する工務店が現れて日々研鑽を進めています。
最近は「全館空調」という空調方式も流行りですが、イニシャルコストが高く、メンテナンスコストも増大なことも認識されてきており、全館空調ブームも長くは続かないのでは?と考えております。

2. 太陽光発電パネルを搭載すること

電気代高騰とカーボンニュートラル政策の効果もあって最近では太陽光発電パネルを計画することが多くなってきました。
太陽光発電パネルについては賛否様々な意見が散見されますが、可能であれば計画すべきと考えております。
夏場は特に発電量も多いので、発電電力をエアコン稼働に回すことで自家消費が叶い、より省エネで快適な室温環境を手に入れることができます。

【関連記事】 太陽光発電 さぁ、どうする!?
https://www.archimoda.jp/blog/9264

3. 除湿を考える

暑さを感じる要因として温度のみならず、高湿度であることは多くの方が知っています。そこで除湿機に目が入ってしまうのですが、実はどんな家庭用除湿機よりもエアコンの除湿能力は優れております。
エアコンにいかに仕事をさせるか(冷房・除湿)が夏の暑さを克服するキーポイントとなります。

通風は暑さを克服できるのか?

「パッシブデザイン」と表現する設計手法が注目されています。
訳すと「特別な機械装置を使わずに建物の構造や材料の工夫によって熱や空気の流れを抑制し、快適な室内環境を作り出す手法」だそうです。
「太陽に素直な設計」と表現する方もいます。
風は非常に気まぐれな性質があり、机上計算では成り立たない自然現象のため、パッシブデザインの世界でも「通風を重要視する人」、「通風は全く考慮しない人」に分かれます。
しかしながら近年の夏は猛暑及びより多湿な気候となってますので、通風で夏場の暑さを凌ぐという考え方は通用しなくなってきています。
近年は夏場の多湿な外気を室内に入れない対策が快適な室内環境を実現するために必要な課題ともなっておりますので、「暑さ対策=通風」という概念は成り立たないという考えが主流です。

まとめ

どんなに素敵な外観や素敵にデザインされた室内空間であっても、家は美術館ではありません。
人に魅せるためのものではなく、夏も冬もそして1年を通して快適に住むことを前提とした箱でなければなりません。
ただ人間は、目で見たものの印象が非常に強く残ります。
住宅展示場やショールーム、建築雑誌やインテリア雑誌にはその「視覚」に訴えるアートのような世界観が表現されています。
多くの人がこんな家に住みたいと思うのは当然です。それが人間ですから!
だからこそ、家を提供する側の実務者たちがお施主様を正しい家づくりの方向性に導いていかなければならないのです。
「暑さを克服する家づくり」もその一例ですが、そこに住む方の住まい方だけでは到底実現できる課題ではありません。
【日射遮蔽】【断熱計画】【経済的で最適な空調計画】この3つをコストバランスも考慮した最適解を提案していかなければ「暑さを克服する家づくり」の実現は叶いません。

みなさまが、正しい選択をされて快適な住まいを建てていただくために少しでもお役にたてた内容であったならば幸いです。

それではまた。

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