【家のメンテナンスがあまり行われない理由とは】

代表の鈴木です。

今日は、家のメンテナンスについてお話ししたいと思います。

家のメンテナンスについて考える

家を快適に長く保ち続けるためには、メンテナンスが非常に重要なことは皆さんわかっています。

しかしながら、なかなか積極的に家のメンテナンスを実施している人はあまり多くはいません。

なぜでしょうか?

そこで、家にメンテナンスがあまり行われない理由を探ってみたいと思います。

車のメンテナンスと、家のメンテナンスを比較してみる

例えば車と家のメンテナンスを比較させてみるとわかりやすいかもしれません。

車の場合、例えば100万円台の国産車も1000万円を超えるような高級車も人を乗せて安全に走るという車に求められる最低限の行為についてはどちらも遜色ありません。

1000万円を超える高級車が100万円台の国産車より、その価格差に見合った距離を走れるわけでもないし、価格差の見合った耐久性があるわけでもないですよね。

1000万円出したからメンテナンスフリーになるわけでもありません。

しかしながら1000万円の高級車を手に入れたオーナーは週末にせっせとボディーを磨き定期的にメーカー指定の高額なオイル交換を行い、ちょっと調子が悪いところがあれば正規ディーラーで点検、修理を行う傾向にあります。

そう購入した後もきちんとメンテナンスを実施しています。

おそらくその車はいつまでも長く大切に乗っていきたいと思わせる価値をオーナーに感じさせているのでしょう。

単にお金に余裕があるから・・・という理由だけでは説明つかない感覚だと思います。

では家(住まい)はどうでしょうか?

家は、当たり前ですがたいていの車よりは価格が高く、一棟数千万円はします。

しかも35年ローンを組むケースも多く必然的に車より何倍も長い付き合いになります。

けれども高級車を手に入れたオーナーのように家のメンテナンスに手間とお金をかける人は極めて少ないのが現状です。

なぜでしょうか!?

家のメンテナンスがあまり行われない理由

  1. 家のメンテナンス周期やメンテナンス方法が法的に確立されていないため、家の所有者にその判断が委ねられていて実際にどうしていいのかわからない。
  2. 家のメンテナンスにて維持する価値を正当に評価する基準、仕組みがない。
  3. 家そのものに手間とお金をかけて長く維持していこうという魅力を感じない。

上記1・2については、法制度や国の政策にも絡んでくる内容なので、ここでは3の「家そのものに手間とお金をかけて長く維持していこうという魅力がない」という点について考えてみたいと思います。

日本人の気質と工業製品化

注文住宅という手法で家を建てた人ならば、少なからず自分の想い通りの家ができたはずだし魅力や愛着だって持てるはずです。

なのに家に魅力が続かないのは何故なのか。

この点については住宅の供給側と建て主側の双方にその理由が起因しているように感じます。

例えば日本人の気質について考えてみると、日本人は家に対するメンテナンスを極端に嫌う傾向にあります。

そうなると住宅の供給側も自然素材よりも、工業製品のような人工製品を多く供給するようになってきます。

また日本人は家を商品と見る傾向にもあり、商品であれば少しでも安くという消費者感情に合わせた家づくりが行われ、そうなるとやはり自然素材よりも大量生産が効く工業製品が選択されてきます。

さらに、昔から住宅産業はクレーム産業と比喩されている産業が故に、住宅供給側は極力クレームが発生しないような家づくりを進める傾向にあり、そうなるとやはり工業製品を選択するようになってきます。

このように日本人の気質と作り手の都合で、家のパーツは急速に「工業製品化」が広まっていった現状があります。

代表的な例であげれば、床材や建具、窓枠材や造作材など目に見える物、手に触れる物全てが工業製品化され、業界では「新建材」と称されて、現在の家づくりには必要不可欠な存在となっています。

新建材とは、中身が木のチップを固めて成形したものや合板を基材に、本物そっくりの紙やシートを貼って仕上げている製品で、仕上げだけでなく、寸法や加工も工場でプレカットされ、現場では説明書通りに組み立てれば、短時間で同一品質の様々な住宅パーツが完成するような建材のことです。

工業製品=新建材とメンテナンスの関係

新建材は時間の経過とともに表面に貼ってある紙やシートが剥がれたり劣化したりしてきます。

自然素材ならば、削ったり色を塗り重ねたり出来るが、新建材ではそうもいきません。

そう、新建材と呼ばれる工業製品の最大の欠点はメンテナンスが出来ない点にあるのです。

使い捨て、或いは交換が前提となっているのですが、さらに厄介なことに、新建材=商品である為、新建材を供給しているメーカーは数年で新商品、廃盤を繰り返します。

そうなればいざ交換したい時期がきた時には、同じ物を手に入れることが現実叶わない状況になっているのです。

新建材に魅力は伴うのか!?

すべてのものに永遠の美が伴わないことは誰でも理解できることです。

ただ経年変化による変質に愛着が感じられるかそうでないかで魅力が伴うのかどうかが決まってくるものだと思います。

目に見える物や手に触れる物がメンテナンスできない、ただただ劣化と付き合っていくような工業製品である新建材は魅力的な物にはなり得ないと思うのですがいかがでしょうか。

自然素材の魅力とは

自然素材の魅力は、長く使っていくのに必要な要素を兼ね備えている点にあると思います。

長く使っていくためにはメンテナンスが必要であり、時に補修や交換が必要になってきますが、その全てを自然素材は叶えてくれます。

手を加えて維持していく行為に愛着が生まれ長く大切に使っていきたいという家そのものに魅力が生まれてきます。

また自然素材は、工業製品である新建材には絶対に無い不思議な魅力も持っています。

「温かみ」と「香り」です。

例えば足が直接触れる床材で比較すると、新建材の床材よりも無垢の床材の方が確実に温かく感じます。

そして本物だけが持っている香りについては説明するまでも無いでしょう。

まとめ

魅力的な家とは、目に見える物、手に触れる物に自然素材が使われているかどうかが重要なファクターだと思います。

家づくりにおいて自然素材とは、よく「健康」の代名詞として取り上げられておりますが、家のメンテナンス性においても非常に有効な選択だとご理解いただけたでしょうか。

家をメンテナンスしながら長く大切に維持していこうと感じさせることが重要で、そこに住まう人が家のメンテナンスに興味を持ち、建てた後も愛情、愛着を持ち続けられるような魅力的な家(住まい)を住宅供給者側も積極的に提供していくべきだと思います。

日本には魅力的な自然素材がたくさんあるのだから。

それではまた。

2018.04.06

★こちらの記事もおすすめ→【SE構法とは

アーキ・モーダ公式HP

〒176-0001
東京都練馬区練馬3-19-17 ニューハイツ練馬 1F
株式会社アーキ・モーダ
TEL:03-6914-8930
Mail:mail@archimoda.co.jp

アーキ・モーダ LINE公式アカウント

YouTubeも始めました!
是非、高評価、チャンネル登録お願いいたします!

アーキモーダyoutube始動