【床下エアコン】について解説します。~床下エアコンの効果、目的について~

代表の鈴木です。

今日は、最近よく耳にする「床下エアコン」についての効果や目的について書いてみようと思います。

床下エアコンについての解説

「床下エアコンって何!?」から説明しないといけないですね!

おもに床下エアコンが活躍するのは冬の暖房期です。

意外と暖房期は長く、関東平野部でも1年のうち5〜6ヶ月はエアコンの暖房を稼働させていると思います。

実はその暖房期を1台の普通のエアコンでまかなってしまおうという何とも都合がよい話なんです。

まず、床下とは1Fの床下のことです。一般的に1Fの床と床下面には50㎝弱の空間があります。

その空間に向けて、通常部屋の上部の壁に設置する壁掛けエアコンを設置する方法を床下エアコンと呼んでいます。

床下エアコンの設置位置の解説画像床下エアコンの目的の解説画像

 

次に「そんなところにエアコンつけて何がいいの?」についてお答えします。

床下エアコンに期待する効果について

まず、床下にエアコンの温風を直接吹き込み、床下の空気の温度を上げます。

 

 

「人のいない床下を温める!?」 きっとそう思うでしょう!

その先の説明に移ります。

よくご存知かと思いますが、暖められた空気は軽く上にあがる性質があります。

床下全体の空気の温度を上げ、暖められた空気の上昇気流を利用し、1F全体の室内空間、そして吹抜けなどが計画されていればさらに2Fの室内空間まで温める効果を期待することがこの「床下エアコン」の真髄です。

床下エアコンの原理の解説画像

 

1Fの床が暖かい空気に直接触れるので、床も冷たくありません。

よく床暖房との違いを聞かれますが、床暖房は局所的ですよね。

床暖房パネルを施工した部分だけ暖かく、それ以外は非常に冷たいです。(温度差でそう感じます)

また床暖房の熱源はガスです。(最近はほとんど使いませんが電気式もあります)

ランニングコストは明らかにガスの方が高いですよね。

さらに設置コストも床暖房は高価です。壁掛けエアコンの方がはるかに安いです。

床下エアコンの利点

・床下エアコン1台で1F、2Fとも暖房が可能となる → 経済的!!

・エアコンの風が直接体に当たらず不快感を感じない → 快適!!

・居室以外の廊下や洗面脱衣室やトイレも温度差がない快適な空間が得られる → 健康的!!

・床の仕上げ材に制限がなくなる ( 床暖房と比べた場合)→ 無垢のフローリングが使える!!

以上が代表的な利点です。

さて、「理屈はわかったけど、そんなにうまくいくのか?」に答えないといけません。

うまくいくためには条件があります。

床下エアコンを効かせるための最低必須条件とは

1・基礎断熱工法にする

通常日本の住宅建築において、床下空間は外部と通気をさせて換気する考え方が主流ですが、床下エアコンを計画する際は、常に外気が入り込む床下空間に頑張って温風を送ってもほとんど温まりません。なので床下空間を外気とは遮断する方法が必要で、図に示すように「基礎断熱工法」が必須となります。

床断熱と基礎断熱の違いの解説画像

 

2・建物の断熱・気密を強化する

たった1台のエアコンの少ない暖房エネルギーで室内空間全体を暖めるためには、高レベルの断熱・気密性能が必要です。

具体的な性能値としては、東京、埼玉の温暖地(断熱区分Ⅵエリア)で下記の性能が最低必要です。

断熱性能としてUa値で0.56以下(HEAT20のG1グレード以上)

気密性能としてC値0.5前後

3・パッシブ設計を心がける

パッシブ設計とは、太陽に素直な設計と比喩されるほど、最大限太陽からの熱量(日射)を室内に取り込む設計のことです。

同時に夏は最大限太陽からの熱量を遮る日射遮蔽も実現させなければいけませんし、風通しもコントロールしなければなりません。

以上の3つの条件が整って初めて床下エアコンを計画するに値する建物だと言えます。

床下エアコンを計画する際にさらに気をつけること

・平面的に見たときに、床下エアコンをどこに計画するのか?

・意匠的にはどのように床下エアコンの存在を処理するのか?

・エアコンの容量や機種はどのように決めるのか?

・床スリットを計画する位置や数や大きさは?

・万一効きが悪かった場合の対策が考えられているか?

このように、床下エアコンの効果を享受するためには、計算・経験・ノウハウが必要となります。

床下エアコンの設置事例1

玄関ホールに設置された床下エアコン。造作家具でうまく存在感を消している。

新座市注文住宅の床下エアコンの設置事例2

ルーバーを外すとそこにエアコンがありメンテナンスが可能となる。

世田谷区注文住宅の床下エアコン設置事例1

階段下のデッドスペースに計画された床下エアコン。ルーバーは給気口の役目

世田谷区注文住宅の床下エアコン設置事例2

階段下のデッドスペースにこのように設置されている。

三郷市注文住宅の床下エアコン設置事例1

廊下の物入れ下を床下エアコンの設置場所とした例

三郷市注文住宅の床下エアコン設置事例2

ルーバーを外すとエアコンが設置されているのがわかる。

床下エアコンもメリットばかりではありません。

 

床下エアコンを計画した場合の懸案事項

・床下エアコンは暖房には向いていますが、冷房には向きません。冷気は重いので床下に冷気が溜まったままになります。

・床下エアコンとは関係ありませんが、床下空間の空気が室内の空気と共になるため、結露やカビのリスク対策が必要となります。

・エアコンの設置基準がメーカーの推奨基準と異なるため、故障の内容によってはメーカー保障が受けられない場合があります。

まとめ

床下エアコンはメリットやデメリットをよく理解して計画することが必要ですね!

きちんと床下エアコンの効果が出るように、設計や施工計画・精度も重要です。

ただうまく計画できると経済的でこの上ない快適性が手に入りますよ!

 

また、床下エアコンをうまく使いこなしている工務店さんは、建物の断熱・気密性に自信と実績がある工務店と判断して大丈夫だと思います。

 

それではまた。

2019.05.15

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