注文住宅における内装の仕上げ材について

代表の鈴木です。

今年の梅雨はとても長かったですね!

東京の話ですが、7月に雨が降らなかった日はたった1日だけだったそうです。

やっと梅雨が明けたと思ったらこの猛暑!

コロナと熱中症に警戒しなければならないなんて大変の時代を迎えたもんです。

今日は内装の仕上げ材についてお話ししたいと思います。

内装の仕上げ材について

注文住宅の内装仕上げ材の解説画像

代表的なものとしては皆さまご存知のビニルクロスが挙げられます。

圧倒的なシェアを誇っていますね!

とにかく内装の仕上げ面積は建物のあらゆる面積の中でも圧倒的に大きいので、単価がトータル価格に与える影響は絶大です。

なので、単価が安いビニルクロスがこれだけ普及している現状も当然かと思います。

その他の仕上げ材としては漆喰や珪藻土に代表される塗り壁、部分的な面積に限定されますが、タイルや石張り、天然木張り、ペンキ仕上げなどがあります。

それぞれの仕上げ材の特徴を見ていきましょう。

これから解説する話の基準はあくまでも私の私見であり、施工、費用、メンテナンス、雰囲気やデザインから得られる満足度や費用対効果の目線で解説していきます。

ビニルクロス

先にも話しましたが、圧倒的なシェアを誇ります。

理由は第一に価格にあると思いますが、今は様々な機能性を付加した商品や、豊富な色柄がありその数の多さには正直驚かれると思います。

またビニルクロスには大きく分けて「量産グレード」「1000番グレード」の2種類の価格帯があります。

価格は定価で量産グレードが600円/m、1000番グレードが1000円/mとなっていますが、卸価格は量産グレードに比べて1000番クロスは2.5倍くらい高いのが相場です。

量産グレードと1000番グレードの違いは、色柄の違いがメインで機能性や品質に差はほとんどありません。

通常はメインに量産グレードを使い、アクセントとして1000番グレードを使うのが一般的です。

ビニルクロスで機能性が付加されたものとしては、

  • 表面強度アップ機能
  • ストレッチ機能
  • 表面撥水コート処理
  • 防カビ仕様
  • 抗菌仕様 

などがあります。

どれも魅力的なフレーズですが、過去の経験上から過度な期待はやめておいた方がいいと私は思っております。

ビニルクロスの厚みはせいぜい1mm前後なので機能性があると言っても、その厚みの中で実現できる効果は限定的なはずと考えています。

メーカーの商品なので、それなりのエビデンスはありますが、体感できるかと言えば❓です。

あまり過度な期待はやめるべきでしょう!

ただし、撥水機能だけは気にしてもいいかもしれません。

洗面所やトイレの手洗い周りには有効なはずです。

紙クロス

ビニルクロスは化学製品なので、それを嫌がる方には紙クロスという選択もあります。

ビニルクロス特有の艶がないマットな質感と自然素材という響きの良さが特徴ですが、なかなかの施工者泣かせの商品です。

素材に伸縮性がありませんので、木造住宅の場合、木造住宅特有の下地の動きに追随することができませんので、紙クロスのジョイントが目立ちやすい傾向にあります。

また表面強度はあまりありませんので、傷がつきやすいことも頭に入れておかなければなりません。

神経質な方は避けた方が良い素材です。

塗り壁

年々、人気が高まっている仕上げです。

塗り壁も自然素材かそうでないかに分かれますが、塗り壁を選ばれる方は圧倒的に自然素材に惹かれる傾向にあります。

しかしかなり繊細な素材なのでそれなりに緊張感を持った住まい方が要求されます。

塗り壁はちょっとした汚れやシミは簡単に消すことができませし、部分補修も難しい素材です。

その点ビニルクロスは、汚れやシミは初期であれば濡れ雑巾で拭けばある程度消すことができますし、部分補修も可能なのでメンテナンス的にも楽です。

少数ではありますが、塗り壁が標準仕様ということを売りにしている建設会社があります。

一般的にはかなりウケがいいのですが、本来は家族構成や子供の年齢、ペットがいるかいないかを加味した提案が必要だと考えます。

そうは言っても、塗り壁の雰囲気がもたらす効果は決して少なくありません。

私が感じる効果の一つとして、照明の灯りや日差しの演出効果があります。

ビニルクロスと違い塗り壁は艶が抑えられていて、照明の灯りや日差しを反射することなく上手く吸収しているように感じます。

わかり辛いかもしれませんが、とても落ち着く雰囲気で上質な室内空間を演出してくれます。

これはビニルクロスではなかなか実現できない世界観だと思います。

塗り壁という表現から、多くの方は壁の仕上げ材とインプットされてますが、天井に使うのも効果的です。

天井を触れたり汚す事はほぼないと思いますし、もともと物を置いたり飾ったりする部分ではないので、圧倒的な面積を共有することができます。

長く塗り素材のメリットを味わえる天井の塗り仕上げも、もっと注目されていいと思います。

塗り素材でも、漆喰がいいのか珪藻土がいいのか、はたまた樹脂系がいいのかの選択もありますが、私個人的には「値段で選んでもいいのでは!?」と思っています。

その工務店が得意としている仕上げ材が何なのかで提案も変わってくると思いますが、私は雰囲気重視で選ぶ物だと思ってすので、あまり神経質にならずに予算と好みの色柄で選んでも大丈夫だと思ってます。

ビニルクロスでも話しましたが、塗り壁もビニルクロスと同じか、やや厚みがある程度ですから、期待するほどの調湿効果や消臭効果、空気の浄化効果は限定的と考えるべきです。

石やタイル

アクセント的によく壁に石やタイルを貼っている空間を目にすると思います。

かなりインパクトは強く、少ない面積でも上手く計画すると空間のグレード感が一気に上がりますので少し予算が伸ばせるのであれば計画しても損はありません。

ただし、タイルや石を貼る範囲にコンセントやスイッチなどがある場合は注意が必要です。

コンセントやスイッチのプレートも様々な色や素材がありますので、石やタイルの雰囲気を損なわないものを計画すべきです。

あと、床と壁の取り合いに計画される巾木も壁に石やタイルを計画する場合はあえて施工しない方が違和感なく綺麗に収まります。

石やタイルの施工面に窓がある場合、窓と石やタイルの取り合いも綺麗に違和感なくおさめる意識が必要です。

このあたりのデザインをしっかりできる設計者はハウスメーカーにはなかなかいません。

天然木張り

壁や天井に木を貼るデザインもよく目にすると思います。

石やタイルと違い、天井に計画されるケースが多いのも特徴です。

天井も床と同じく広い面積なので、室内空間の印象を大きく変えることができます。

天然木は見た目の印象だけで無く香りも楽しむことができるのが特徴で、杉やレッドシダーなどは香りが高く、木の香りが好きな方にはおすすめです。

木や石は自然界に存在しているものですので、同じ空間に併用して計画してもとても相性がいいことも覚えておくと良いでしょう。

ペンキ仕上げ

海外ではペンキ仕上げはとてもポピュラーな仕上げ方法ですが、日本だとかなりレアな仕上げ方だと思います。

仕上げ方法として、下地の石膏ボードにパテ処理をして直接ペンキを塗る方法と、下地の石膏ボードに塗装用のクロスを貼った上にペンキを塗り重ねて仕上げる方法の2パターンがあります。

費用と時間はかかりますが、塗装用のクロスの上にペンキ仕上げをした方が圧倒的に綺麗に仕上げります。

また、将来何回でも塗り重ねることができるのでかえって経済的かもしれませんが、傷には弱く、塗り壁同様にメンテナンス的にはかなり神経を使う仕上げ材と言えます。

ただし、カラーが豊富でマットな質感が表現する空間はとても個性的で、ビニルクロスや塗り壁にもない独特の世界観が魅力でもあります。

調湿効果や消臭効果が期待できる仕上げ材

ビニルクロスや塗り壁には、調湿効果や消臭効果をうたう商品もありますが、効果は限定的とお伝えしました。(あくまでも私の個人的な感想ですが!)

そこで調湿効果や消臭効果が確実に期待できる商品をご紹介します。

もう歴史も実績もあるLIXILの「エコカラット」です。

この商品はある程度の面積で使用すれば確実に効果を実感することができます。

年々色柄も増えてきており、まるでタイルや石のような柄の商品もあります。

エコカラットの画像1
LIXILのHPより
エコカラットの画像2
LIXILのHPより
エコカラットの画像3
LIXILのHPより
エコカラットの画像4
LIXILのHPより

なんとなくタイルや石のフェイク商品のようなイメージがあるのか、設計事務所の設計士はあまり積極的に採用していないようです。

消臭効果を狙うのであればシューズクロークや、納戸の天井面、トイレやダイニングの壁や天井面に使うと良いと思いますし、調湿効果を狙うのであれば、洗面脱衣室や寝室などに計画するのも良いかと思います。

もちろん意匠性を期待してリビングの壁などに使っても良いと思います。

もっと積極的に採用例が増えても良いのではないかと思える商品なので紹介させていただきました。

まとめ

それぞれ代表的な内装仕上げ材についてお話ししてきましたがいかがでしたでしょうか⁉︎

究極は機能性を期待して選ぶか、見た目の雰囲気で選ぶかの選択だと思いますが、機能性に関してはあえて何度も繰り返しお伝えしますが、過度な期待はされない方が良いと思うのが私の考えです。

予算とのバランスを見ながら雰囲気重視で内装材を選ぶことが良いのではないかと思います。

それではまた。

2020.08.11

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