【注文住宅の建築コストについて解説いたします】建物本体価格以外にどのくらいかかるのか??

代表の鈴木です。

本日は皆さまにとって関心の高い【注文住宅の建築コスト】についてお話してみたいと思います。

住宅の建築コストを考える場合、以下のような構成でコストを考えるとおおよそトータルコストをつかむことができます。

「設計費用+建物本体価格+付帯工事費+登記・融資諸費用+諸雑費」

注文住宅の建築コストを簡単に解説していきます。

注文住宅の建築コスト【設計費用】とは

設計費用とは、設計士がお客様から様々な要望をヒアリングして間取りやデザインなどを考え図面化する労務費、能力費と敷地の調査費用や確認申請費などの費用、そして図面の作成費用などを含めたものと説明できます。

労務や能力、あるいは作業量を正確に価格として置き換えることはなかなか難しいため、一般的には工事価格の10%前後で設定されることが多いです。

例えば、工事価格が2,000万円ならば設計費用は200万円(10%)と言った具合です。

注文住宅の建築コスト【建物本体価格】とは

昔からよく表現されている「坪〇〇万円」とは、まさにこの建物本体価格を示しているケースがほとんどです。

大手ハウスメーカーや大手ビルダーのようにプラン集から選んで、あるいはプラン集の間取りに少し手を加えて実現される建物を提供している会社はこの表現をよく使ってますので、一般の方も馴染みが深い表現かと思います。

建物本体価格とは、「宙に浮かんでいる状態の建物の価格」とイメージしてみてください。

本来建築コストは、宙に浮かんだ建物が着地した土地によって大きく変動するため建物の規模だけで予測することは不可能です。

そこでまずは宙に浮いた状態の建物を建物本体価格として目安を表現しているのです。

注文住宅の建築コスト【付帯工事費】とは

先ほど、宙に浮いた建物が着地する土地によって建築コストが大きく変動すると話しましたが、この「着地する土地=建物を建てる土地」の諸条件によってかかる費用が付帯工事費と表現されます。

諸条件を整理してみましょう!

【解体費用】

建て替えの場合や古家付きの建物があれば、解体費用が必要になります。

更地の土地を購入した場合はこの費用はかかりませんよね。現状が駐車場でアスファルトが敷いてあれば、その撤去費用も必要となります。

解体費用は年々上昇傾向にあり、一般的に取り壊す建物が30坪くらいの木造住宅であれば、古家や既存の外構などの処分を考慮すると150万円〜くらいの予算組みは必要となります。

【上下水引込み費用】

元が大きな敷地を分割して売り出された土地や、駐車場だった土地、あるいは給水管が宅内に引き込まれているけど細い管(13mm)の場合は新たに給水管の引込み費用が必要になります。

給水管の引込み費用は、前面道路を掘削して宅内に引き込んでくる工事となるため、100万前後かかるケースが多いです。

東京都以外では水道分担金も必要となります。

下水管も同様ですが、東京23区内に限って言えば1宅地1下水までは無償です。

その土地に上下水設備が引き込まれて有るか無いかでも大きく費用が異なります。

【地盤補強工事】

地耐力調査により、補強が必要となれば地盤補強工事が発生します。

これも建物を建てる土地の特性によるものです。

こちらの費用も幅がありますが60万〜200万円くらいの予算組みが必要となることがあります。

【残土処分費用】

残土処分といってもピンとこない方が多いと思いますが、こちらの費用も建てる土地の特性によって大きな費用負担増となる場合があります。

道路との高低差が大きいほど比例して残土処分費用も大きくなります。

一般的に道路と敷地の高さがほぼ平でも残土処分費用は15万前後はかかります。

これに高低差が加わればかなり費用が上昇していくのがこの費用です。

【外構工事】

外構工事は建物の計画において少なからず必要となる工事ですが、敷地の大きさに比例した予算どりが必要です。

建物の規模に関係なく、土地の規模に比例する工事内容としては付帯工事の代表格と言えます。

【宅地造成費用】

建物を建てる敷地と前面道路との高低差が有る場合、また隣地との高低差が有る場合は造成費用がかかる場合があります。

造成工事はRC工事となるため、数百万単位で費用がかかるケースがあります。

特に2m以上の高低差がある場合は、地域の条例などで施工内容に細かい指示が出るため注意が必要です。

【輸送費】

建物を建てるためには現地に様々な資材を運び込む必要があります。

前面道路が狭い場合、または建物の前まで工事車両が侵入できない場合は、搬入途中で小さな車に資材を移し替えたり、あるいは長い距離を人力で手運びしたりする必要があります。

こうなると狭隘地(きょうあいち)割増という追加輸送費がかかってきます。

【ガス工事】

都市ガスかプロパンガス(PG)かによってかかる費用が変わります。

これも建物によるものではなくその地域のガス供給事情によりますよね。

都市ガスの場合、ガスメーターとガス配管工事費と合わせて15万円〜30万円前後かかります。

PGの場合は、PG業者と長期使用契約の条件付きで工事代が無料になるケースが多いです。

オール電化住宅の場合は、そもそもガス工事という項目は無くなりますね。

【TVアンテナ工事】

額は大きくありませんが、TVアンテナの選択によって費用が変わってきます。

屋根の上にアンテナを建てるのか、あるいはケーブルTV、光ケーブルを利用するのかによって工事内容が変わります。

【その他】

その他、付帯工事に分類されることが多い項目が以下に挙げる工事項目です。

● 照明器具
● 空調工事
● カーテン工事
● 家具工事

こちらは、お客様が家電量販店で購入したり、インテリアショップで購入したりすることもできて趣向性にも左右される商品なので、あえて建物本体価格には含めずに付帯工事費の項目になっているケースが多いです。

付帯工事費用についてはかなり細かく整理してみましたが、そこそこ費用のボリュームが大きくなることはご理解いただけたでしょうか。

今までの経験上、この付帯工事費用は実際に400〜700万円くらいがボリュームゾーンではないでしょうか。

注文住宅の建築コスト【登記・融資諸費用】とは

建物を建てると登記が必要になります。

建築資金を銀行から借りる場合は、抵当権設定登記が必要となります。

必ず行う表題登記で10万円前後、保存登記+抵当権設定登記は借り入れる金額によって変わりますが20万前後が一般的でしょうか。

また、融資諸費用も借り入れる金額によって比例しますが、用意しなくてはならない費用です。

合わせて火災保険も建築資金を目安に加入しなければなりません。

契約年数にもよりますが数十万という単位の金額が必要です。

注文住宅建築コスト【諸雑費】とは

建てる建物の規模には関連しませんが、以下のような費用も考えておかなければなりません。

● 引越し費用
● 仮住まい費用
● 祭事費用(地鎮祭や上棟式など)

まとめ

いかがでしょうか。

注文住宅の建築コストは建物本体価格以外にかかる費用が実際にはかなりあるもんだな〜とお感じになられたかもしません。
それが現実です。

建物を計画される場合は、「坪〇〇万円!」だけで建築コストをシュミレーションするのは大変危険かつ、意味がないというお話でした。

それではまた。

2018.12.16

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