代表の鈴木です。
実は私、小さい頃からかなりのクルマ好きでした。
最近はYouTubeにてモータージャーナリストの試乗インプレッションを見まくるのが日常の楽しみの一つにもなっております。
今日は、車とSE構法を関連づけてSE構法の魅力を語っていきたいと思います。
SE構法の凄さを解説
自動車業界の進化は凄まじいものがあります。
特に、燃費向上技術、電動化技術、運転支援、安全対策の分野の進化は目を見張るものがあります。
住宅においても、昔に比べれば耐震性や省エネ性などが格段に上がってきておりますが、車の進化に比べれば非常に鈍化なスピードに感じてしまいます。
それにはいくつかの理由があると思っておりますが、少し違った角度から最新の自動車と住宅(特にSE構法)を比べてみたいと思います。
SE構法というプラットフォーム
先に挙げた車の進化の土台にあるものとして「プラットフォーム」というものがあります。
車で言う「プラットフォーム」とは、まさに骨格といえる部分で普段目にすることは絶対にないのですが、車という商品作りにおいてまさに最重要部分と位置付けられているものです。
骨格といえば人間でいえば「骨」であり住宅でいえば「構造躯体」ということになり、確かに非常に重要なものだということは誰でも理解できることかと思います。
YouTubeでモータージャーナリストの試乗インプレッションを見ているとよく車の良し悪しを「ボディ剛性」という言葉で語っていることに気づきます。
「ボディ剛性」とは簡単に言えばクルマ全体の骨格の強さのことで、まさに「プラットフォーム」の出来映えを評価しています。
「ボディ剛性」が高いと、サスペンション(足回り)が期待通り(設計通り)によく動くようになり、運動性能の向上や乗り心地の向上につながります。
また、エンジンや駆動系の振動抑制にも効くことで車の走りの「質」という部分にも大きな影響を及ぼすため、とにかく「ボディ剛性」の重要性がよく語られるのです。
車のプラットフォームにはもう一つ大きな役割があります。
それは一つのプラットフォームでどれだけ他の車種へ展開できるかという生産性向上の部分です。
自動車メーカーは車の大きさによっていくつかのプラットフォームを持っていますが、車種ごとにプラットフォームを揃えているわけではありません。
プラットフォームの開発は非常に多くの時間とコストがかかるために、一つのプラットフォームで多くの車種に展開でき、さらに時代の進化を見越した長いモデルサイクルにも耐えうるように開発されております。
このように一つのプラットフォームの出来の良し悪しがそのメーカーの車という商品造りに大きな影響を及ぼすために、非常に重要な部分と認識されているのです。
車の話を先行してしまいましたが、住宅においてもこのプラットフォームの考え方は重要です。
車の場合は、コンピューターで様々な力学的な解析をシミュレーションした上で最適解の形状を導き出し、あとは工場で同品質の生産を行なっていけば良いのですが、住宅は1棟1棟間取りも大きさも形を違うために、本来はそれぞれの建物の計画に合わせてコンピューターで力学的な解析を行いプラットフォーム(構造躯体)を作り上げていかなければなりません。
それがまさに住宅でいう「構造計算(許容応力度計算)以下、構造計算」です。
「住宅って大変だな〜、1棟1棟すべて構造計算をしてるんだ〜」
と思っている方、それ大きな間違いです。
日本でそのシェアの多くを占めている「平屋」「2階建て」の木造住宅のほとんどは構造計算(許容応力度計算)がなされずに建てられております。
理由は、わざわざ時間とお金をかけて構造計算をしなくても建てていいことになっているからです。
地震大国と言われ、近年各地で大きな地震が発生し、その度に甚大な被害を受けているのに「なぜ!?」と不思議に思いませんか?
しかしこれが日本の住宅建築の現状なんです。
木造で平屋や2階建ての住宅として建てられる大きさの規模の建物は法律で構造計算は義務化されておりませんし、そのことが大きな社会問題にもなっておりませんので、住宅供給側が堂々と構造計算をしないまま皆さんの住宅を供給しているのです。
さて、ここから本題の「SE構法」の話をします。
SE構法とは、Safety Engineeringnの略で、「工学的に安全な構法」という意味合いがあります。
株式会社エヌ・シー・エヌが供給している木造の構造躯体で、住宅の規模や階数に関係なく全ての建物で構造計算を行い構造的な安全性を担保した上で、その構造計算結果通りに施工できるよう構造材の選定、加工、現場納品までトータルで行うシステムを構築しております。
また、現場で構造材が正確に組み上がるように登録店制度を設け、SE構法の技術的な施工マニュアルを熟知したSE構法の施工管理技士が在籍している工務店でないと施工できないことになっており、各現場ごとにSE構法施工管理技士が検査・報告することで、株式会社エヌ・シー・エヌ独自の構造性能保証(最長20年)が発行されます。
一般の在来軸組工法で行う構造計算とSE構法の構造計算との最大の違いは、この計算から部材供給、施工管理、保証までの一貫したシステムの有無にあります。
一般の在来軸組工法で構造計算を行う場合は、構造設計事務所に構造計算を依頼しその計算結果をプレカット業者に伝達、プレカット業者は構造計算で導かれた構造図を基に構造材を加工し現場に納品、現場の大工は構造計算で導かれた構造図ではなくプレカット図を基に構造躯体を組み建て、あとはその工務店が保証をつける(法律で義務化されている範囲で)という流れが普通で、構造設計事務所は構造計算書を納品すればそれで仕事がおしまい、プレカット業者は加工した構造材を現場に納品したらそれで仕事がおしまい、工務店は事前の流れが完全な内容で伝達されてくることを前提として仕事を進めるので、それぞれの仕事が分断される為に責任の所在が曖昧になっているのが現状です。
そして、もう一つSE構法の優位性を実際の現場で感じることができます。
車の話で「ボディ剛性」の話をしましたが、SE構法も構造躯体の剛性が非常に高いと感じられるタイミングがあります。
それは上棟してすぐに始まる屋根工事のタイミングです。
上棟直後のまだ骨組みの段階では建物は構造的に固まっている状態ではなく、このタイミングで屋根の高さで作業を行うと建物は微妙に揺れるのが普通です。
大工さんや屋根屋さんはみんなこの感覚を知っています。
ところがSE構法だけは、このタイミングでも全く揺れません。
これには長年在来軸組工法に携わってきた大工さんや屋根屋さんもいつも感心しています。
SE構法が木質ラーメン構造と例えられる所以(ゆえん)で、柱と梁が極太のSE金物で剛接合される独自のテクノロジーのおかげで、構造躯体の剛性感を感じさせているのてす。
車に例えると道なき道を走るクロカンタイプに求められる強靭なボディを作るために採用されるラダーフレームのようなイメージですね!(車に興味がない人は全く何言ってるのかわからないと思います。すみません!笑 )
車のプラットフォームは、同タイプの様々な車種に展開できる可変性を持たせるように開発されていますが、SE構法も将来の間取りの可変性という点においても優れた特徴を持っています。
極太の柱と梁とSE金物で構成される構造体は必要最小限の柱の数で最大限の強度を実現させているために、ライフスタイルに合わせた間取りの変更がとても容易なこともSE構法の特徴の一つとなっております。
まとめ
自動車づくりの根幹の部分は、企画、開発、生産を一貫したシステムで行う事で信頼性と品質が担保される商品作りが行われていますが、住宅においても本来は大事な構造躯体においては一貫したシステムで計画されて然る(しかる)べきです。
SE構法は在来軸組工法という日本においては将来も永続的に存続していくであろう構法の中で唯一、一貫したシステムで供給される構法なのです。
もう一度お伝えします。
SE構法は建物の規模に関わらず、すべての物件でコンピュータ解析(構造計算)を行い、その結果を担保できる構造躯体の材料を整え専門のプレカット工場で加工を行い現場に納品します。
そして全国で選ばれたSE構法の登録工務店がSE構法の施工管理技術を習得したSE構法施工管理技士によって管理されることにより、独自の「SE構造性能保証」を付与するという、まさに安全安心が一貫したシステムによって構築されている構法なのです。
関連記事:SE構法とは何?【日本一わかりやすい「SE構法」の解説】
関連記事:SE構法のデメリット!と言われる「価格が高い!」は本当か?
それではまた。
2021.02.20
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