BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の違いを解説|アーキ・モーダ

代表の鈴木です。

注文住宅を検討する際に特に「耐震性」を重要視すると、住友林業さんの「BF(ビッグフレーム)構法」か「SE構法」に行き着くお客様が多いようです。

弊社は「SE構法」の登録施工店ですが、弊社にご相談に来るお客様も同時に「BF(ビッグフレーム)構法」を検討されている方が多いです。

そこで、「BF(ビッグフレーム)構法」と「SE構法」の違いを検証してみたいと思います。

多少ポジショントークが入るかと思いますが、なるべくカタログやHP情報を頼りにプロ目線で比較していきたいと思います。

なお「BF(ビッグフレーム構法」の説明用の画像や文章は住友林業さんのHPより転用させていただいいております。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の比較

最初に簡単にBF(ビッグフレーム)構法とSE構法の立ち位置の違いを解説いたします。

BF(ビッグフレーム)構法は大手ハウスメーカー住友林業さんのオリジナル構法で、住友林業さんがいくつかラインナップしている構法の中の一つです。

対してSE構法は、株式会社 NCN(エヌ・シー・エヌ)が「構造計算ーSE構造材供給ー検査・保証」というシステムを一括して供給し、SE構法の登録施工店が施工を行うシステムになっております。

BF(ビッグフレーム)構法は住友林業さんだけが施工できる構法、SE構法は全国およそ500社の登録施工店(一部ハウスメーカーにも供給されています)で施工できます。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の特徴

どちらも高い耐震性を売りにしており、柱と梁の接合部は「剛接合」の木質ラーメン構造となります。

【BF(ビッグフレーム)構法】はビックコラムという幅560mm×105mmの大変太い柱とも壁とも言えるような構造材が特徴で、高い壁倍率を実現しています。

【SE構法】は幅120mm〜360mm×120mmの太い構造材とSボルトの強烈な接合ボルト及び極太な金物接合で鉄骨造のようなラーメン構法を実現しています。

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の特徴の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の特徴

 

関連記事:SE構法とは何?【日本一わかりやすい「SE構法」の解説】

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐力壁の比較

耐力壁の強度は「壁倍率」という数値で比較することができます。

「BF(ビッグフレーム)構法」はビックコラムの特徴が活き、壁倍率22.4相当とい圧倒的な強度を誇っています。

「SE構法」は壁倍率14相当となっています。

数値だけ見れば「BF(ビッグフレーム)構法」の優位性が際立ちますが、一般の在来軸組構法の壁倍率は5が最大なので、どちらも十分な耐力壁の強度があると言えるでしょう。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐力壁の比較解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐力壁の比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構造金物接合の比較

両社ともに、木質ラーメン構法を構成するために最も重要な柱と梁の接合金物については独自の方法を持っております。

「BF(ビッグフレーム)構法」はメタルタッチというオリジナルの接合金物を開発。「SE構法」は重量鉄骨造と同じ厚みのSE金物をSボルトという強烈な引抜き強度を持ったボルトで接合するオリジナルな構法を採用しています。

BF(ビッグフレーム)構法のメタルタッチは現場で施工者が締め付け作業を行うのに対し、SE構法のSボルトは高トルクが必要なため現場でがなく、あらかじめ専用工場で締め付けられてきます。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構造金物接合の比較解説の画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構造金物接合の比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震等級の比較

両者とも耐震等級3の取得が可能となっておりますが、耐震等級3の導き方に違いがあります。

「BF(ビッグフレーム)構法」は性能評価(品格法)に基づく計算にて、「SE構法」は構造計算(許容応力度計算)によって導かれます。

実は同じ耐震等級3でも、計算方法によって実際の強度には違いが出ていることが知られています。

どちらの計算で導びかれても耐震等級3の評価は変わりませんが、構造計算(許容応力度計算)のほうがより詳細な計算内容となり信頼性も高いのが特徴です。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震等級の比較解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震等級の比較

 

関連記事:【どこまでこだわる!?住宅性能(耐震性能編)構造計算、耐震等級について】

関連記事:【家に最高の耐震性能を求めるならば、これだけ要求すれば大丈夫!】

関連記事:【構造計算VS耐震等級】

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験の比較

両社のHPなどを拝見すると、耐震実験の様子が紹介されています。

多くのハウスメーカーが耐震実験を行なっておりますが、その多くは「振動台実験」と呼ばれるものです。

「SE構法」は振動台実験の他に、「静的加力倒壊実験」を実施しているのが特徴です。

「振動台実験」では地震の揺れを再現して実験モデルが倒壊しないかを調べることしかできませんが、「静的加力倒壊実験」では、振動台実験よりも大きな力を加えることができ、振動台実験では得ることができない多くのデーターを得ることができます。

建物が壊れるまで力を加えて建物の壊れ方を検証することができるのが、「静的加力倒壊実験」の特徴です。

「BF(ビッグフレーム)構法」は標準的な振動台実験の様子が紹介されていましたが、「SE構法」はさすが構造の専門会社だけあって、振動台実験、静的加力倒壊実験、ウォールスタット解析、構造金物の耐震実験などより多くのデーターが紹介されております。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較(振動台実験)

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較.2解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較(静的加力倒壊実験)

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較.3の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の耐震実験比較(ウォールスタット解析・他)

 

関連記事:【SE構法 強さの秘密! 〜構造〜】

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の開口対応力の比較

HPの情報によると、「BF(ビッグフレーム)構法」は最大開口幅は7.1m、「SE構法』は最大9m(ただし独自の構造計算で12m以上も可能)となっております。

数値だけを比べれば、SE構法の方が優位性があるように見えますが、まあどちらも十分な開口対応力だと言えますね!

住宅レベルを超えてた中大規模の木造施設などの設計はSE構法の方が有利だと思われます。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の開口対応力の比較解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の開口対応力の比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法のオーバーハング比較

両社のHPによると「BF(ビッグフレーム)構法」はオーバーハング1.8mまで可能、「SE構法」は1.5mまで可能となっています。

BF(ビッグフレーム)構法は梁勝ちのラーメン構造なので、SE構法の柱勝ちラーメン構法よりもオーバーハングに関しては少し有利に働いているように思われます。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法のオーバーハングの比較解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法のオーバーハングの比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の最大天井高さの比較

両社のHPによると、「BF(ビッグフレーム)構法」は一般で3.1mまでで床を下げることで3.52mまで可能。「SE構法」は4mまで可能となっています。

ただし「BF(ビッグフレーム)構法」は平屋、2階建て、3階建てでそれぞれ違うような解釈もできそうなので、高い天井空間を望まれる方はよく確認していただくことをお勧めいたします。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の最大天井高さの比較の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の最大天井高さの比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の間取りの可変性の比較

両社とも、「スケルトン&インフィル」を強調しており、将来の間取りの可変性は高いと言えます。

ただし「BF(ビッグフレーム)構法」は型式認定の構造なので、住友林業さん以外の会社でのリフォームや改築は基本的に不可能と考えてください。

ハウスメーカー独自のオリジナル工法は「クローズド工法」に分類され、それが将来的には不都合にはたらくこともありますので注意と覚悟が必要です。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の将来の間取りの可変性の比較の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の将来の間取りの可変性の比較

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構法と断熱性能の関係の比較

直接構造性能とは関係ありませんが、構法と断熱性能はリンクするポイントもありますので比較しておきたいと思います。

構造材のサイズは壁厚に影響し、壁厚は断熱材の厚みに影響してきます。

建物の断熱性能は断熱材の種類よりも厚みの方が影響が大きく、構造材のサイズ以上に断熱材を施工することは基本的にできません。

「BF(ビッグフレーム)構法」は構造材の厚みが105mmで住友林業さんのHPによると壁の断熱材は高性能グラスウール16K100mmと記載されています。

またビックコラムの幅560mmは大きな熱橋となり、建物の外壁面にビックコラムが多く計画されればそれに比例して断熱性能は低下してしまいます。

よく、木材は優れた断熱性能があると紹介されていますが、木材の熱伝導率は0.15程度、断熱材の高性能グラスウール16Kの熱伝導率は0.038程度なので

まさに桁が違うのです。

「SE構法」は構造材の厚みが120mmなのでより厚い断熱材の施工が可能で、断熱材の種類も制限を受けません。

熱橋も最小限に抑えられますので、構法が及ぼす断熱性能の比較としてはSE構法の方が有利と言えます。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構法と断熱性能の関係の画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構法と断熱性能の関係

 

関連記事:「新座市のSE構法の現場より」SE構法が断熱性能向上に有利な理由!

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法において構法による考えられる不都合

こちらも構造性能には関係ありませんが、この構法を選ぶことにより生じる不都合な部分を検証していきたいと思います。

ネットで検索してみると、実際に「BF(ビッグフレーム)構法」のご入居者の方の声をいくつか拾うことができます。

よく目にするのは、やはりコンセントやスイッチ計画の不都合です。

BF(ビッグフレーム)構法のビックコラムは木の塊になっているため、電気配線や設備配線を壁の中に埋設することができません。

大きな壁倍率を得るために、断熱性能とスイッチ、コンセント類の設備計画が多少犠牲になってしまっているようです。

「SE構法」は従前の在来軸組構法と同様に計画することはもちろん可能ですので、自由度は高いと言えます。

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構法による考えられる不都合の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の構法による考えられる不都合

 

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の歴史と実績

「BF(ビッグフレーム)構法」2階建てシリーズに展開されてから12年(2020年現在)、「SE構法」は24年(2020年現在)の歴史があります。

実績施工棟数は「BF(ビッグフレーム)構法」の場合はデーターを確認することはできませんでしたが、「SE構法」は全国で20,000棟を超えています。(2017年現在)

さらにSE構法で建てられた建物は、阪神淡路大震災以降の「新潟中越地震」「東日本大震災」、震度7が2回発生した「熊本地震」のエリアで約5,000棟建っておりましたが、地震による構造被害は1棟も出していないという結果は大変心強い実績と言えるのではないでしょうか。

もちらんBF(ビッグフレーム)構法も十分な実績はあると思います。

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の歴史と実績の解説画像

BF(ビッグフレーム)構法とSE構法の歴史と実績

 

関連記事:【SE構法 強さの秘密!〜実績〜】

関連記事:【熊本地震のその後】構造計算をして耐震等級3は確保しよう

 

まとめ

「BF(ビッグフレーム)構法」と「SE構法」の構造に関する特徴を比較してきました。

私の私見ですが、どちらの構法も耐震性に代表される構造性能は申し分ないかと思います。

どちらを選ぶかは、それぞれの会社のプラン提案力やデザイン力、そして価格とのバランスで選択すればよいのではないかという結論になるわけです。

ハウスメーカー VS 工務店という構図にもなりますので、その辺りは過去のブログなどを参考にしていただければと思います。

関連記事:【ハウスメーカーで建てる時に覚悟すべき3つのこと】

関連記事:【ハウスメーカーって?みんなが思っているイメージと少し違いますよ!】

関連記事:【注文住宅を検討していてどこの会社も同じに見えると感じている方へ】

関連記事:【家づくり-ハウスメーカーと設計事務所と工務店 どこがいいの?】

 

それではまた。

2020.06.02

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