木造住宅を長持ちさせる設計のポイントを解説

代表の鈴木です。

今日は、木造住宅を長持ちさせる耐久性向上】設計のポイントについて解説していこうと思います。

木造住宅を長持ちさせる設計のポイント

木造住宅の耐久性の画像

長持ちする家(耐久性の高い家)とはどんな家かご存知ですか?

今回のブログでは、これから家を建てようと考えている方に向けて、

【長持ちする家の特徴がわかる】

【家を長持ちさせるポイントがわかる】

この2つをお伝えしていきたいと思います。

この記事を書いている私は、注文住宅に携わって27年、お引渡し棟数は累計600棟を超えました。
その私が今までの経験をもとに記事にしています。

目次

1. 家の耐久性を著しく低下させる3つの要素
2. 家を長持ちさせる設計のポイント
3. まとめ

1. 家の耐久性を著しく低下させる3つの要素とは

家の耐久性を著しく低下させる3つの要素とは、ズバリ雨漏り」「結露」「紫外線です。

1-1.雨漏り

雨漏り」が家の耐久性を低下させることは容易に想像できると思います。

構造体を濡らし続けることで腐朽菌やシロアリが発生し、構造体(木の土台や柱や梁)を腐らせていきます。

こうなれば家の寿命は著しく短くなります。

構造体本来の耐力も低下するわけですから、大きな地震が来れば「倒壊」のリスクもあります。

1-2.結露

部屋の中の湿気が多いの少ないのという話ではありません。

ここでいう「結露」とは壁の中に発生する「璧体内結露」のことで、夏でも冬でも発生する可能性があります。

壁体内結露が引き起こすリスクは先に述べた「雨漏り」と同様ですが、普段見ることのできない壁の中に発生することがタチ悪い現象です。

1-3.紫外線

この業界で話題になることが少ないのが不思議ですが、紫外線の威力は半端ないです!

人間である我々も(特に女性の方は)肌に大敵として紫外線ケアは当たり前ですが、家は無防備に紫外線を浴び続けます。

この紫外線は屋根や外壁の寿命を蝕んでいく要因の一つです。

2. 家を長持ちさせる設計のポイントとは

ズバリ、「屋根の軒の出」と「外壁通気」です

2-1.「雨漏り」と「紫外線」への対策

屋根の軒は家の100難を隠すと言っても過言ではありません。

家の耐久性を著しく低下させる「雨漏り」「紫外線」を防ぐ最も効果的な対策です。

軒は家にとっては傘でもあり、日傘でもあります。

効果を最大限得るためにも、出来るだけ屋根の軒を出すことが設計上のポイントです。

耐久性に逆行するデザインとは

外壁をなるべく濡らさない!紫外線をなるべく当てない!ことを考えると深い軒の出はとても有効ですが、最近の家の人気デザインは「箱型」デザインで、家の耐久性とは逆行するデザインが流行っています。

本来「箱型」のデザインはRC造のデザインであり、木造で表現するのはかなり無理がありますが、木造は加工が容易な工法ため、様々な形がデザインされてしまいがちです。

もう一つの理由として、多くの木造住宅はRC 造や鉄骨造と違い、構造計算が不要になるケースが多く、意匠(デザイン)に特化した家づくりが計画しやすいという背景があります。

構造計算って!?【日本一わかりやすい構造計算の解説】

「箱型」でなくても、軒がない「軒ゼロ」住宅も非常に増えています。

これには主に3つの理由があります。

1. 斜線規制(北側斜線や道路斜線など)によって、軒を出したくても出せないケース。

2. 軒を無くすことによってのコストダウン効果
(屋根面積の減少、破風材不要、軒天材不要、軒天下地材不要、軒周りの換気部材不要、工期の短縮など)

こちらは業者都合の理由が大半なのですが、軒の無いシンプルなデザインが好きという建て主(比較的若い年齢の方)も比較的多く、
双方の利害関係が一致してしまっています。

3. デザイン重視の設計者が増えてきた。そしてその設計者のデザインに憧れる建て主も増えてきたこと。

軒がない「箱型」「軒ゼロ」デザインはいかに危険なのか!

業界誌として有名な「日経ホームビルダー」(日経BP社)ではここ数年で何回か「箱型」「軒ゼロ」の危険性が特集されています。

日経ホームビルダー画像

日経ホームビルダーの調査によると、軒の無い家の雨漏り発生リスクは、通常の5倍!というデーターが出たようです。

冊子の中で、こんな記事がありました。

【建て主は軒ゼロが大好き?】

「おたくは技術力に自信がないのか」

軒ゼロデザインを要望された技術者が雨漏りリスクを説明したところ、建て主はそう言い放ったそうです。

その建て主は軒ゼロの美しさにすっかり心酔し、技術者の助言には一切耳を貸さなかったとか。

そんな建て主には、ぜひ今号の特集記事を見せてあげてください。軒ゼロはハイリスク。

導入には相応の対策と費用負担が不可欠です。ぜひそれを知って欲しいのです。

日経ホームビルダー2016年12月より

「雨漏りさせるなんて、施工した工務店はどんだけいい加減な会社なんだ!」

「雨漏りなんて、施工不良だ!」

よく聞きそうなセリフですが、私の経験上いまの時代、雨漏りの多くは設計計画の不備の寄るところも非常に多いという印象です

デザイン系の設計者の多くは、家の耐久性やメンテナンス、雨漏りリスクなどまともに考えていません。

多くのデザイン系の設計者を見てきた私が言うのですから間違いありません。

しかしながらどんなに設計上の不具合があっても、責任が追求され改修の費用を負担し、建て主から文句を言われるのは施工会社/工務店です。

この構図が続く限り、雨漏りの根本的なリスクはなかなか無くならないでしょう。

もちろん、性能とデザインをバランスよく設計する安心で優秀な設計者もいますけどね

非常に少ないですが・・・

次に紫外線対策の話ですが、

紫外線を最も浴びる部分は屋根、そして外壁です。

屋根については、素材で対策を講じるしかありませんので、どんな屋根材を使うかが重要です。

紫外線に一番有効な屋根材は「瓦(かわら)」だと思いますが、価格や耐震性への不安、止水性の悪さなどもあって、最近は特に都心部では滅多に見られなくなりました。

屋根材で一番普及しているコロニアル系(カラーベストが有名)の商品も、徐々に耐候性を高めたグレードもラインナップしてきているので、惜しみなくハイグレード(高耐候)商品を選択することをお勧めします。

そして外壁を紫外線から守る対策は、やはり軒の出です。

紫外線は全方位からやってきますので、可能なかぎり家の4面の軒は出すべきです。

2-2.「結露」に対しての対策

建物の内部結露に対しては2つのポイントがあります。

  1. 壁の中に水蒸気を侵入させないこと
  2. 壁の中に発生した結露をスムーズに屋外に排出すること

壁の中に水蒸気を侵入させない

この対策としては、気密性能が問われます。

しっかりと気密シートを屋根、壁に施工する必要があります。

設計上の注意点としては、仕様書にしっかりと記載することと、計算で内部結露判定を確認することです。

壁の中に発生、侵入した水蒸気をスムーズに屋外に排出すること

まず、外壁通気工法は絶対条件として、特に気をつけなければならないのは、通気の出口をしっかり計画することです。

実は、これができてない現場(特に軒ゼロ住宅や箱型デザインの住宅)は非常に多いという印象があります。

大体はできていますが、完全ではないという状態の現場がほとんどです。

しっかりと通気の入口と出口を確保した上で、壁を構成している素材を、室内側から順に透湿抵抗の高い素材で構成していくことが大事です。

そうでなければ、通気層に水蒸気を移動させることができません。

設計者も施工者も十分に理解してなければいけませんが、設計者が理解していないと、そのまま不完全な状態で家は作られます。

設計と施工が別組織、別会社の場合は、特に注意が必要で設計不備は現場で修正されることはまずありません。

これが現実であることを建て主の方も認識しておく必要があると思います。

さて、屋根の軒を十分に出した方がいいのはわかったけど、斜線規制や土地が小さくて配置上どうしても軒が出せない時はどうしたらいいのでしょうか!

軒ゼロでも比較的安全に施工する方法はありますが、少し手間とお金をかける必要があります。

特に屋根と外壁の取り合い部には注意が必要で、屋根材と外壁材という異素材が取り合う部分なのでしっかりと止水を考えなければいけませんが、外壁通気の出口も同じ位置で計画されるため対策が非常に難しいところです。

通気を促すためには隙間が必要ですが、止水を行うには隙間を作ってはいけません。

この相反する要素を同時に満たす納まりは、研究熱心な実務者でなければ考えられませんので、多くの現場は止水が優先で、通気を犠牲にしてしまっています。

また、外壁材の選定や色の選定も重要かと思います。

軒ゼロや箱型デザインの住宅は、軒のある住宅に比べて外壁材の痛み具合や汚れ具合が全く違います。

こういう建物に限って、「真っ白」な配色がよく選ばれていますが、5年も経てば新築当時の鮮やかな表情は曇り見るに耐えない状態になっている建物も少なくありません。

何が何でも「真っ白」な外壁が好き!という方もおりますが、できることなら少し色が入った外壁色を選択された方が賢明かと思います。

また逆に、「真っ黒」な外壁を選択される方もおりますが、あまり濃すぎる色は紫外線の影響で色の退色が早まる傾向がありますので、軒ゼロや箱型デザインの住宅は
外壁の素材を吟味するか、他の色の検討も視野に入れるべきだと思います。

まとめ

家を長持ちさせる家の耐久性を高める」ためには、設計者施工者双方のスキルが必要です。

まず、設計者が十分に考慮して設計する必要がありますが、施工者との意思疎通も不可欠です。

理想的な組織としては、設計と施工が対等な立場で利害関係が共有された組織だと言えると思います。

大手のハウスメーカーが一定の品質基準を保っているのはそのためで、近年非常に魅力的で高性能な住宅を建てている工務店も、設計と施工が一体となった組織を持っています。

これから家を建てる方は、ぜひ家の耐久性に対しても目を向けていただきたいと思います。

住宅業界で一番遅れている分野ですので・・・

それではまた

2019.08.21

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