注文住宅の外観デザインで気をつけること|アーキ・モーダ

代表の鈴木です。

今日は注文住宅において、建物の外観デザインで気をつけるべきことをお伝えしたいと思います。

デザインには「意匠的なデザイン」と「機能的なデザイン」とがありますが、建物の外観デザインにおいても双方の理想的なデザインというものが存在しております。

まずは建物の外観デザインを整理してみたいと思います。

建物の外観を構成している主たるものは「屋根」と「外壁」と「窓」の3つです。

その中で、建物の外観デザインの方向性を大きく左右する要素は何だかわかりますか?

それは「屋根」です。

屋根の存在を活かすのか消すのかでデザインの方向性が大きく異なります。

屋根の存在感の有無が外観デザインを左右する!

注文住宅の外観デザインの画像

【屋根の存在を活かすデザインとは】

屋根の形状は代表的なものとして、「寄棟」、「切妻」、「片流れ」の3つのパターンがありますが、それぞれの屋根の存在感は【軒の出】が大きく影響してきます。

しっかりと軒の出がデザインされると、屋根の存在感が増す外観となります。

昔ながらの日本家屋に代表されるような、全体的に安定感のあるデザインとなります。

 

【屋根の存在を消すデザインとは】

逆に屋根の軒を全く出さない「軒ゼロ」というデザインにするか、屋根を「フラットルーフ」という形状にすると屋根の存在感が消え、外壁の存在感が増して箱のような外観デザインが完成します。

RC造のような無機質なテイストのデザインで、「シンプルモダン」とよく形容されており、スタイリッシュで都会的な印象となります。

 

ここ数年、いや10数年においてはこの「屋根の存在感を消すデザイン」が主流になってきている印象があります。

その理由は3つあると考えます。

 

◯ まずお施主様からの要望が強く、意図的にデザインされるケース

◯ 軒ゼロデザインは軒の出がある建物と比べ、軒周りの材料や施工手間が減りますので、コストダウンを考えて施工会社側が積極的に採用するケース

◯ 都市部において、厳しい法規制をクリアするために必然的に「軒ゼロ」デザインを採用せざるを得ないケース

 

以上の理由によって、屋根の存在感を消す=「軒ゼロ」デザインは、施主側の要望と施工側の都合が相まって、近年急速に広まっている外観デザインです。

 

屋根の存在感を活かすのか消すのかで建物の外観イメージが大きく変わることはご理解できたかと思いますので、ここからは具体的に建物の外観デザインで気をつけるべきことを解説していきます。

外観デザインで気をつけるべきこととは!

デザインには「意匠性」と「機能性」があると言いましたが、外観デザインは特にそのバランスが大切です。

デザインが意匠性に大きく傾くと、雨漏りのリスクが増大し、外壁の耐久性が著しく損なわれますし、デザインが機能性だけに大きく傾くと、せっかく注文住宅で計画したのに、なんとなくどこにでもあるようなつまらないデザインになってしまいます。

どうすればいいのでしょうか⁉︎

答えは、機能性を重視したデザインをベースに意匠性を整える事が一番と言えます。

抽象的でわかりにくいかと思いますが、絶対に機能性を疎かにしてはいけません。

そうです!ぜひ屋根の存在感を活かすデザインをベースにすべきです。

 

屋根の存在感を活かした機能性重視のデザインがなぜ大事なのか?

もちろん意匠性も大事なことは十分理解しておりますが、機能性を疎かにすると後でとんでもないしっぺ返しを喰らいます。

とんでもないしっぺ返しとは「雨漏り」「外壁の劣化の速さ」です。

「雨漏りは施工が悪いからだろ!」

と仰る方が多いのですが「軒ゼロ」デザインの場合は施工の良し悪しだけが原因とは言い切れません。

住宅建築の業界紙で有名な「日経ホームビルダー」の調査によれば、「軒ゼロ」住宅は軒の出がある住宅と比べて雨漏りリスクが約5倍高いという結果が出ており、軒ゼロ住宅の計画そのものの危険性に警笛を鳴らしています。

なぜ雨漏りのリスクが高いのか?

私自身、建築業界の長い経験から、雨漏りの原因の多くは屋根と外壁の取り合い部分に集中していることを体験的につかんでいます。

この弱点を確実にカバーしているのが屋根の軒なのですが、軒がない「軒ゼロ」住宅は無防備な状態で自然環境に晒されて(さらされて)います。

対抗する手段としてはシール処理頼りになるのですが、シール(コーキング或いはシーリングと言います)は、紫外線に弱く必ず劣化しますので、定期的なメンテナンスが必要です。

しかしながら、屋根と外壁の取り合いは普段目にできる場所ではありませんし、気軽にメンテナンスできる場所でもありません。

そうした部分の雨漏り対策がシール頼みとは、なんとも心許ないです。

施工側でできる対策としては、シールだけではありませんが、かなり限られているのが現状で、このことが高い雨漏りリスクを生み出しているのだと思います。

さて、それでも雨漏りは防げたとしましょう!

しかしながら「軒ゼロ」住宅では、外壁の劣化スピードを遅らせることは到底不可能です。

なぜ外壁の劣化スピードが早いのか?

雨の日に傘をさしているのと、ささないでずぶ濡れになっているのとを想像していただければわかると思います。

また軒がなければ外壁に陰ができませんので、紫外線が容赦なく当たります。

外壁の素材にとって紫外線はかなり厄介なものなので、やはり軒がない建物は外壁の耐久性においてかなり不利に働きます。

私たち人間の肌にとっても、雨天の度にずぶ濡れになったり、容赦無く紫外線を浴びてたりすればどうなるか・・・

言わずもがなですよね!

何故か軒ゼロデザインの建物の外壁は真っ白が多く、劣化状況がかなり目立ってくるので、メンテナンスサイクルが早くなるという現実も避けられないのです。

 

「雨漏り」と「外壁の劣化」という住んでからご入居者が味わうストレスは半端ないものです。

だからまず機能性を重視したデザインをベースにすべきだと主張したいのです。

意匠性デザインで意識することは

それでは意匠性はどのようにデザインしていくのでしょうか。

まず、窓のデザインと配置を整えます。

そして、雨トイやバルコニーの手すりデザイン、軒のデザインを整えていきます。

そして、給湯器やエアコンの室外機などを目立たない場所に配置することを考えます。

単調な外観形状ならば、外壁の素材や張り分けなどを、くどくない程度に整えていくのですが、外壁の素材は方位によって慎重に選ぶ必要があります。

紫外線によって劣化が進みやすい素材は南面や西面には避けるべきだからです。

 

このように、あくまでも機能性をベースに意匠性を加えていくことで外観を整えていくことが大事なのです。

ここまで、屋根の存在感を意識した外観デザインの重要性を解説してきましたが、屋根の存在感を消す=「軒ゼロ」デザインを完全に否定するわけではありません。

軒ゼロ住宅で気をつけるべきこと

狭小地であったり、法規制が厳しく「軒の出」を出したくても出せないケースも都市部では多々あります。

またお客様からの強い要望であれば、営業的な観点においても「軒ゼロ」デザインを提案していかなければならないケースも現実問題としてあります。

そんな時は、設計側と施工側の双方の工夫が必要になります。

雨漏りリスクに対しては、まず雨水が入りにくい工夫と同時に、たとえ入ったとしてもうまく外に抜ける工夫や計画が必要となります。

また外壁の劣化対策においては、方位に対しての外壁素材の選び方がものを言いますし、メンテナンス時になるべく安価に済む素材選び、そして劣化が目立たない配色の工夫など、多岐にわたる対策が必要となります。

まとめ

以上、解説してきたように建物の外観デザインは、機能性デザインをベースに意匠性デザインを整えることが最重要です。

できれば屋根の存在感を活かした外観デザインが理想的ですが、どうしても叶わぬ場合は、特に屋根と外壁の取合い部分の設計的な納まりと施工側の工夫、そして外壁材そのものの素材選びや配色などを気をつけなければならないことをよく理解して家づくりをご検討されたら良いかと思います。

 

それではまた。

2020.04.17

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